駐車場をコンクリートで舗装したいと思ったとき、まず気になるのが費用ではないでしょうか。業者に見積もりを依頼する前に、提示された金額が適正かを判断するための目安として、おおよその相場は知っておきたいところ。この記事では費用面を柱に、依頼後の作業が見積書に沿った内容かどうかの参考として、工事の大まかな流れなども紹介していきます。
駐車場をコンクリートで舗装するメリットについて、アスファルトで舗装する場合と比較しながらみていきましょう。
アスファルトは費用が比較的安価で、道路など、広い土地を舗装するときに使用する機会が多くみられます。一方で、コンクリートはアスファルトに比べて施工費用がやや高額になります。ただし、強度や耐久性も高いため、劣化による補修工事の頻度も比較的少なく済ませることができます。なお、排水性に関してはアスファルトよりも低く、施工時に排水口に向けて勾配をつける、などの対応が必要とされます。
続いて、気になる費用面を確認していきましょう。
駐車場をコンクリートにする場合の単価は、余分な土を取り除く作業や土の処分なども含めて9200円/㎡程度といわれています。
車1台を停めるためには、一般的に15㎡の土地が必要なため、9200円/㎡×15㎡で13万8000円。さらに使用する重機の費用やひび割れ防止のための目地代なども含めると、1台分の駐車スペースをコンクリートで舗装するために、トータルで17万3000円程度かかるのが一般的です。ただここでお伝えした金額はあくまでも目安で、地域や立地によって異なることが前提です。実際の費用は業者に見積もりを取って確認しましょう。
ここでは、工事の流れについて順を追って紹介していきます。具体的にどういった工事を行うのか、事前にある程度把握しておくことで、見積書を見た際にどの作業にどのぐらいの費用がかかるのかイメージしやすくなります。また依頼後に見積書に沿った内容で適正に工事が行われているかどうかの確認をする参考にもなります。
駐車場となる地面は、雨水によって滑りやすくなるのを防ぐために、奥から道路側にかけて傾斜をつけます。そこで最初に、現在の地面に対してどの程度の高さであれば傾斜をつけられるのか、オートレベルという専用の機械を使って把握していきます。
コンクリートや下地材となる石を敷き詰める深さを確保するために、駐車スペースとなる敷地から土を取り除いていきます。必要な深さはコンクリートを流し込むために10cm、下地材を敷くために10cm、計20cmほどです。
土のように柔らかい場所に直接コンクリートを流し込んでしまうと、ひび割れや陥没を起こしやすくなります。そこで土を取り除いたら、石を敷き、転圧機などの専用の機械でコンクリートの下地となる部分の強度を高めていきます。
伸縮目地とは、地震が発生したときなどにコンクリートに伝わる力を分散する、弾力性のある素材のこと。伸縮目地を設けることで、コンクリートがひび割れする可能性を最小限に抑えます。
車両によって、地面には1トン以上の負荷がかかるといわれます。その重さをコンクリートだけで耐えるのは難しく、強度を増すためにワイヤーメッシュという鉄製の骨組みを入れます。なお、駐車場のように、負荷が大きい場所には線径5.5mmのワイヤーメッシュを使用するのが一般的。これよりも細いものだと、強度に不安があります。
まだ固まっていない状態のコンクリートは、施工中に周囲へと飛び散ってしまう可能性があります。そこで養生といって、外壁や窓などをビニールで保護することで、コンクリートの飛び散りによる汚れを防ぐ作業を行っていきます。
ここまでの過程を経たら、ようやくコンクリートを流し込んでいく作業となります。このときの注意点としては、組んだワイヤーメッシュがきちんとコンクリートの中心にきているか、3回以上を目安にならす作業が行われているかの2点です。
ワイヤーメッシュがコンクリートの中心位置にあることで、強度を最大限に高めることができます。下地から5cm程度浮いた位置に、ワイヤーメッシュが設置されているかどうか確認しましょう。
駐車場をコンクリートにするにあたって、業者に見積もりを依頼することがほとんど。そこで見積書を確認するときのポイントについても、事前に知っておきましょう。
作業内容が「一式」として、まとめられている見積書には気をつけましょう。作業内容の内訳が正確に把握できないため、何にどのぐらいの費用がかかっているのか判断のしようがなく、金額が必要以上に上乗せされてしまっているケースもあります。
また「諸経費」としてまとめられている項目に関しても、本来は不必要な費用まで含んでいる場合があります。一式や諸経費には何が含まれているのか、具体的な説明を求めてみましょう。
駐車場をコンクリートに舗装する場合、前文でも紹介した通り、土を取り除く作業を実施します。その費用として、見積もりには残土処理費という項目が設けられていますが、残土量を必要以上に上乗せすることで費用をかさ増しているケースもあります。
残土処理費は、駐車場の面積(㎡)×排出する土の深さ(m)で算出できる残土量に、1㎥当たり8000~1万1000円程度の単価をかけて導き出すのが一般的です。例えば排出する土の深さが20cm(0.2m)だとすると、15㎡のスペースの残土処理費は2万4000〜3万3000円(15㎡×0.2m×8000〜1万1000円)です。
ここまで紹介した計算式をもとに算出した数字が見積もりの金額と大きくかい離していないか、念のため確認しておきましょう。
施工費用がやや高いものの、強度や耐久性に優れるため、補修工事の頻度も少なくて済むコンクリート。1台分の駐車スペースを舗装するためには、だいたい17万3000円ほどが目安だと考えられます。あわせて、今回紹介した工事の流れなども参考にしながら、信頼できる業者を見極めましょう。