マンションについて

駐車場に屋根を設置したい! 工事にかかる費用は?

作成者: マンションと暮らす。編集部|Apr 18, 2020 3:00:00 PM

駐車場に屋根がないと、雨の日の乗り降りや荷物の積み下ろしが大変なだけでなく、雨が降ったときに路面が滑りやすくなったり、雨風や鳥のフンなどによって車のボディが傷んだり汚れたりしてしまうこともあります。では実際に駐車場に屋根を設置する場合、どのくらい費用がかかるのでしょうか。また、屋根を設置するメリットや設置する際の注意点などもあわせて紹介していきます。

「カーポートタイプ」と「ガレージタイプ」がある

駐車場に屋根を設置する場合、その方法は「カーポート」と「ガレージ」に分かれます。カーポートは屋根と柱だけの簡易的な車庫のこと。一方でガレージは屋根だけでなく、壁もあるタイプの車庫です。ガレージは上からだけでなく横から降り注ぐ雨などからも車を守ることができますが、設置費用が高いのがネック。とくにマンションのように、複数台の車を風雨から守る目的で屋根を設置するのであれば、まずは比較的安価なカーポートから検討しましょう。

カーポートは、車1台用であれば、片側2本の支柱で屋根を支える片流れ屋根タイプが主流ですが、2台以上になると両脚支柱タイプがほとんどです。なおカーポートは家屋とはみなされないため、固定資産税の対象にはなりません。

駐車場に屋根を設置する5つのメリット

駐車場に屋根を設置するメリットは何か。改めて整理してみたいと思います。

【メリット1】乗車・降車、荷物の積み下ろしの際に雨に濡れない

駐車スペースに雨がしのげる場所があると、乗り降りの際に傘をさす必要がなくなり、髪や衣服が濡れる心配もなくなります。また荷物の積み下ろしもラクになるでしょう。

【メリット2】冬場の霜取りの時間が短縮できる

冬場の朝の出勤時などで、フロントガラスに霜が付着してしまったために、お湯をかけた経験はないでしょうか。しかし屋根があれば、霜が降りるのを防ぐことができるため、霜取りに時間をかけることもなくなります。

【メリット3】塗装の色褪せや車内の劣化をやわらげる

ポリカーボネートと呼ばれる屋根によく使われる素材は、紫外線をほぼ100%カットするといいます。そのため、紫外線によって車のボディが色褪せてしまうことや、車内のダッシュボードやシートの劣化もやわらげます。

【メリット4】落下物や鳥のフンから車を保護する

屋根があれば、台風などによる飛来物や鳥のフンからも車を守るため、傷ついたり汚れたりする機会も軽減できます。

【メリット5】車内温度の上昇を抑える

夏場などの気温が高い季節は屋根が日差しを遮り、また影をつくる役目を担うため、車内の温度上昇を抑えることができます。熱による車内の劣化を防ぎ、またクーラーをつけてから車内が快適な温度になるまでの時間も短縮できます。

屋根の後付けリフォームの費用は4台用で約40〜90万円

駐車場に屋根を設置する工事を行う場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。台数ごとの相場を紹介していきます。

1台用から4台用まで、現場の状況や工事内容によって違いはあるもののおおよそ次の通りです。

・1台用:約10~30万円
・2台用:約20~60万円
・3台用:約40~80万円
・4台用:約90~120万円

費用には主に屋根本体の価格と、設置にかかる工事費用が含まれています。また積雪が多い地域や台風が頻繁に直撃する地域などでは、強度を保つために一般的な水準よりも費用が高くなってしまうこともあります。

さらに屋根を設置するときには、支柱を固定するために地面をコンクリートへと舗装する工事も発生します。すでに駐車場がコンクリートであれば追加費用はかかりませんが、そうでない場合コンクリートの打設工事として2万円/㎡程度の費用が追加で発生します。

なおここまで紹介した金額はあくまでも目安であるため、実際の費用は業者に見積もりを取って確認しましょう。

駐車場に屋根を設置するときの注意点

駐車場に屋根を設置する際には、気をつけておくべきこともあります。そこで注意点について、2つ紹介します。

【注意点1】建ぺい率の範囲内でしか建てられない

はじめにご説明したとおり、カーポートは固定資産税の対象ではありません。しかし、建築物であることに変わりはないため、敷地の「建ぺい率」を越えて建てることはできません。

建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のこと。日当たりや風通しといった住みやすさを確保することや、災害の被害を最小限にするため、敷地面積いっぱいに建物を建てないよう規制されています。

例えば、建ぺい率が60%で制限されている場合、100㎡の土地に建てられる建築面積は60㎡以内になります。建ぺい率は地域によってことなるため、市区町村役場の都市計画課などで確認しておきましょう。

【注意点2】「建築確認申請」の提出の義務がある

設備の補修といった簡易なリフォームであれば必要はありませんが、屋根やカーポートなどの屋外設備の増築を行う場合、各地域の役所に「建築確認申請」という書類を提出する必要があります。

増築予定の建築物が床面積10㎡に満たない場合などは、申請が不要とされるケースはあるものの、2台分以上の屋根を設置する場合にはほとんどがこの面積を超えるサイズとなってしまいます。そのためマンションの駐車場に屋根を設置する際は、基本的に建築確認申請を提出すると考えてよいでしょう。

【注意点3】 台風が多い地域では補強材を使用する

駐車場の屋根の中には、支柱から屋根板部分が外れやすくなっているものもあります。これは、台風の強風にあおられた屋根板に引っ張られて支柱ごと倒壊し、駐車している車を大きく損傷させてしまうのを防ぐためです。

しかし、これには屋根板が飛ぶ危険性も。それ自体を防ぐには、屋根材ホルダーという屋根に取り付けるアルミ製の補強材を使用する方法があります。屋根材ホルダーを取り付けることで屋根板のがたつきを抑えて、台風時でも飛ばされにくくなります。その場合、そもそも強風に耐えうるカーポートを埋設することも大切です。

屋根の設置で居住者の利便性は向上する

雨のときでも濡れることなく乗り降りできるなど、屋根があることによって居住者の利便性は少なからず向上します。大切な車を風雨や紫外線から守ることにもつながるなど、設置のメリットは多く検討に値します。