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中古住宅の「新耐震」「旧耐震」基準、住宅ローン控除・フラット35への影響

作成者: カシワバラさんの暮らし。編集部|Oct 13, 2026, 1:00:00 AM

 

中古住宅の物件情報を見ていると、「新耐震」「旧耐震」という言葉がたびたび出てきます。建物の安全性の話だと思われがちですが、この線引きは、住宅ローン控除が受けられるか、フラット35が使えるかといったお金の面にも直結してくるので、慎重に確認する必要があります。

この記事では、新耐震・旧耐震・2000年基準の違いと見分け方を押さえた上で、旧耐震の物件でも住宅ローン控除やフラット35を使うための条件を整理します。

1981年・2000年の耐震基準の違いと見分け方

 

基準

時期

主な内容

旧耐震基準

〜1981年5月31日の建築確認

中地震(震度5強程度)を想定した規定のみ

新耐震基準

1981年6月1日以降の建築確認

中地震に加え、大地震(震度6強〜7程度)への規定を追加

2000年基準

2000年6月以降の建築確認
(主に木造住宅)

地盤調査の義務化・接合部の金物指定・
耐力壁のバランス規定を追加

新耐震基準が導入されたのは、1978年の宮城県沖地震がきっかけでした。ところが1995年の阪神・淡路大震災では、その新耐震基準で建てられた木造住宅にも倒壊・半壊の被害が出たため、2000年6月に木造住宅の基準がもう一段強化されます。これがいわゆる「2000年基準」で、木造の中古住宅を見るときはこの年も一つの目安になります。

見分け方としては、建築確認済証や検査済証に記載された確認日、または登記簿上の新築年月日を確認するのが基本です。1981年6月以降であれば新耐震基準、2000年6月以降であれば2000年基準に対応した建物である可能性が高いといえます。ただし、登記簿上の新築年月日(完成日)が1981年6月以降であっても、建築確認の申請がそれ以前であれば「旧耐震」となるため注意が必要です。正確な基準は、建築確認済証の日付で確認するのが望ましいです。

【新耐震基準と2000年基準の違いに注意】

「1981年以降の建物だから安心」と考えがちですが、1981年〜2000年5月に建てられた木造住宅は、新耐震基準ではあるものの、2000年基準ほどの耐震性は備えていない場合があります。木造の中古住宅を検討する際は、建築確認日が2000年6月以降かどうかも確認しておくと安心です。

 

旧耐震物件で住宅ローン控除・フラット35が使えないケース

住宅ローン控除の適用要件は、2022年度の税制改正で見直されました。現在は、登記簿上の建築日付が昭和57年(1982年)1月1日以降であれば、耐震基準適合証明書などがなくても住宅ローン控除の対象になります。

一方、それより前(旧耐震基準に該当する期間を含む)に建てられた住宅の場合は、次のいずれかの書類を取得できなければ、原則として住宅ローン控除の対象外となります。

  • ・耐震基準適合証明書
  • ・建設住宅性能評価書(耐震等級に係る評価が含まれるもの)
  • ・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書

フラット35についても、原則として新耐震基準(1981年6月1日以降の確認申請)に適合していることが技術基準の一つとされています。旧耐震基準の物件でフラット35の利用を希望する場合は、耐震基準適合証明書の取得などにより、基準を満たすことを証明する必要があります。

既存住宅売買瑕疵保険の活用で控除対象
にする方法

既存住宅売買瑕疵保険は、住宅瑕疵担保責任保険法人による検査と、保証がセットになった保険です。この保険に加入するには、原則として新耐震基準を満たしていることが条件になります。

旧耐震基準の物件であっても、耐震診断・耐震改修などにより現行の耐震基準相当の性能を満たしていると確認できれば、既存住宅売買瑕疵保険に加入できる場合があります。保険に加入し、付保証明書を取得できれば、住宅ローン控除の対象にすることが可能です。

手続きには時間と費用がかかるため、旧耐震物件を検討する場合は、購入前の段階で耐震診断や保険加入の可否を確認しておくことをおすすめします。

カシワバラ・アシスト 担当者の声

松隈 秀樹(カシワバラ・アシスト 銀行代理事業室 室長)
貸金業務取扱主任者・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター
2011年カシワバラ・アシスト入社/住宅ローン相談 累計1,000件以上


「『築古で価格が安いから』という理由だけで中古住宅を決めてしまうと、後から住宅ローン控除やフラット35が使えないと分かって慌てるケースがあります。耐震基準は、物件の安全性だけでなく、税制優遇やローンの選択肢にも直結する部分です。購入前の段階で、一緒に確認させていただければと思います。」

耐震基準が資産価値・将来の売却に与える影響

耐震基準は、購入時のローン控除だけでなく、将来の資産価値にも影響します。旧耐震基準の物件は、新耐震基準の物件と比べて、買い手の住宅ローン控除やフラット35の利用可否に制約が出やすいため、将来売却する際に、購入検討者の選択肢を狭めてしまう可能性があります。

一方で、耐震基準適合証明書の取得や耐震改修を行い、現行基準相当の性能を証明できれば、旧耐震物件であっても資産価値の維持につながる場合があります。将来の売却も見据えるなら、耐震性能の証明書類を整えておくことも選択肢の一つです。

よくある質問(FAQ)

Q. 旧耐震基準の中古住宅を買ってから自分で耐震改修工事をした場合、住宅ローン控除は使えますか?

A. はい、使えます。ただし、引き渡し(所有権移転)前に手続きの準備を進め、入居の日までに耐震改修工事を完了させて「耐震基準適合証明書」などを取得する必要があります。手続きの順番を間違えると控除が受けられなくなるケースがあるため、必ず購入契約の前に不動産会社や専門家へ相談してください。

耐震基準は「安全性」と「制度の使いやすさ」の両面で確認を

新耐震か旧耐震か、あるいは2000年基準かという違いは、建物の安全性にとどまらず、住宅ローン控除やフラット35が使えるかどうかまで左右します。

とはいえ旧耐震の物件でも、耐震基準適合証明書や既存住宅売買瑕疵保険をうまく使えば制度の対象にできる余地はありますので、「旧耐震だから無理」と決めつける前に、購入前の段階で証明書の取得や保険加入の見通しを確認しておくことが重要です。

※ カシワバラ・アシストでは、中古住宅の耐震基準に応じたフラット35のご相談にも、専門機関として対応しております。「気になる物件が旧耐震かもしれない」という段階から、お気軽にご相談ください。

監修者プロフィール

松隈 秀樹 カシワバラ・アシスト 銀行代理事業室 室長

【保有資格】
貸金業務取扱主任者・宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター

【経歴】
2011年カシワバラ・アシスト入社。住宅ローン分野では累計1,000件以上の相談実績を持ち、フラット35やドコモSMTBネット銀行をはじめとする商品知識に精通。前職の不動産仲介で培った1,000件以上の取引実績も活かし、ローンの資金計画から不動産取引の法規制・契約実務まで、お客様のライフプラン全体を見据えた最適解の提案を専門領域とする。

【読者へのメッセージ】
耐震基準は、中古住宅選びの中でも見落とされがちなポイントです。住宅ローン控除やフラット35の利用可否まで含めて、不動産取引の実務にも詳しい立場から、安心して選べる中古住宅探しをサポートします。