住宅ローンを申し込む際、多くの金融機関で加入が必須となる「団体信用生命保険(団信)」。この団信、持病や既往歴があると加入できないことがあります。
住宅ローンを申し込む際、多くの金融機関で加入が必須となる「団体信用生命保険(団信)」。この団信、持病や既往歴があると加入できないことがあります。
「団信に入れない=住宅ローンが組めない」と思われがちですが、実際にはワイド団信や、団信への加入が任意のフラット35など、マイホームの夢を諦めずに進めるための選択肢は他にもあります。
この記事では、団信の健康告知で審査に影響しやすい持病の傾向、ワイド団信の仕組み、団信に頼らない住宅ローンの組み方まで、ファイナンシャル・プランナーの視点から整理します。
【告知についての重要な注意】
団信の健康告知は、事実をありのままに申告することが必須です。告知内容を偽って加入すると、告知義務違反として契約が解除され、万一の際に保障を受けられなくなる可能性があります。持病がある場合は、正直に告知した上で、加入できる商品を探すようにしましょう。
一般団信の健康告知では、直近数年以内の通院・投薬歴や、特定の持病の既往歴が問われます。告知の結果、加入が難しくなりやすい傾向があるのは、糖尿病、高血圧(治療中のもの)、がんの既往歴、うつ病などの精神疾患、心疾患・脳血管疾患などとされるケースが多く見られます。ただし、症状の程度や治療状況によって判断は分かれるため、「持病がある=必ず入れない」とは限りません。
一般団信の審査に通らなかった場合の選択肢の一つが「ワイド団信(引受基準緩和型団信)」です。一般団信より告知項目が少なく、持病があっても加入しやすい設計になっています。
その分、住宅ローンの金利には上乗せが発生します。2026年時点では、一般的な目安として金融機関によって年0.2〜0.3%程度の上乗せが採用されているケースが多くあります(※金融機関や商品により異なります)。たとえば4,000万円・35年ローンで金利が0.3%上乗せになった場合、月々の返済額は数千円程度増える計算になります(借入条件によって異なります)。
ワイド団信でも、健康状態に関わる告知の正確性と、必要に応じた診断書などの資料提出が審査の分かれ目になります。
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する住宅ローンで、団信への加入が任意という特徴があります。健康上の理由などにより団信への加入が難しい場合でも、フラット35を活用することで住宅ローンを検討できるケースがあります。
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選択肢 |
特徴 |
注意点 |
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一般団信 |
多くの民間金融機関で加入必須 |
詳細な健康告知項目が設けられている |
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ワイド団信 |
告知項目が少なく加入しやすい |
金利上乗せが発生(一般的な目安として目安年0.2〜0.3%等) |
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フラット35(団信任意) |
団信への加入を任意で選択できる |
万一の際、残債の保障がない点に注意 |
団信なしで住宅ローンを組む場合、契約者に万一のことがあっても住宅ローンの残債は残ります。その分、遺された家族の生活を守る備えを別途用意しておく必要があります。
団信に加入できない、またはあえて団信なしを選ぶ場合は、民間の生命保険や収入保障保険で万一の備えを用意しておくことが選択肢になります。
生命保険は、万一の際にまとまった保険金を受け取れる仕組みで、住宅ローンの残債返済に充てられます。収入保障保険は、万一の際に毎月一定額の給付を受け取れる仕組みで、住宅ローンの返済に加え、生活費もカバーしやすいのが特徴です。
持病があると通常の生命保険にも加入しづらい場合がありますが、「引受基準緩和型」や「無選択型」といった、告知項目が少ない保険商品も選択肢としてあります。保険料は割高になる傾向があるため、複数の商品を比較検討することをおすすめします。
小林 勝之(カシワバラ・アシスト 第1営業部 次長)
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)・貸金業務取扱主任者・個人情報取扱主任者
2011年カシワバラ・アシスト入社/返済計画見直しの対応実績多数
「『持病があるから住宅ローンは諦めていた』というご相談を、少なくない頻度でいただきます。ワイド団信や団信なしのフラット35など、選択肢は一つではありません。大切なのは、健康告知を正直に行った上で、ご自身の状況に合う組み方を探すことです。一緒に選択肢を整理していければと思います。」
「持病を告知すると審査に通らないかもしれない」という不安から、告知内容を事実と異なる形で申告してしまうケースがあります。しかし、告知義務違反が発覚した場合、団信の契約自体が解除される可能性があり、万一の際に保障を受けられなくなるリスクがあります。
審査に不安がある場合は、正直に告知した上で、ワイド団信や団信任意の商品など、加入できる可能性のある選択肢を金融機関やファイナンシャル・プランナ―と一緒に探すことをおすすめします。
A. はい、告知質問書に「過去○ヶ月以内の健康診断等で異常の指摘があったか」といった項目がある場合、正確に告知する必要があります。「要経過観察」であっても、まずは正直に申告してください。金融機関によっては、追加で詳細な診断書の提出を求められた上で「現状は問題なし」と判断され、通常通り加入できるケースもあります。
団信に入れないことは、住宅ローンを組めないことと同じではありません。ワイド団信、団信が任意であるフラット35、民間保険での備えなど、ご自身の健康状態や希望に応じた組み合わせを検討できます。
大切なのは、正直な告知と、複数の選択肢を比較した上で、無理のない資金計画を立てることです。
※ カシワバラ・アシストでは、住宅ローンの専門金融機関として、健康状態に不安がある方の住宅ローン相談にも対応しております。「持病があって住宅ローンを諦めかけている」という段階から、お気軽にご相談ください。
小林 勝之 カシワバラ・アシスト 第1営業部 次長
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)・貸金業務取扱主任者・個人情報取扱主任者
【経歴】
2011年カシワバラ・アシスト入社。複雑なローン商品の比較検討から、お客様の家計状況に応じた資金計画の作成、審査書類の作成支援、融資実行までの一貫したサポートを多数手がける。詳細なシミュレーションに基づいた提案には定評があり、ライフステージの変化に応じた返済計画の見直しまで幅広く対応する住宅ローンの専門家。
【読者へのメッセージ】
持病があるからと住宅ローンを諦める前に、選択肢を整理してみませんか。ワイド団信、団信任意のフラット35、民間保険での備えなど、ご家庭の状況に合った組み方を、FPの視点から一緒に考えます。