ロケットストーブを耐火レンガとコンクリートで作ってみませんか?庭に常設しておけば、週末はBBQもピザパーティーも楽しめちゃうんです。そんな便利なものの作り方をお届けします。
ロケットストーブの要は、断熱され、真っすぐに立つ煙突(ヒートライザー)です。これができれば、ロケットストーブはほぼ完成したといっても過言ではありません。このヒートライザーの先端の温度は、600~800℃にも達します。あとは、煙突の下端に焚き口を設け、そこに薪を入れて燃やすだけ。このように、原理的な構造はとても単純です。そもそも真っすぐに立つ煙突は上昇気流を生んで燃焼効率を高めるものですが、断熱することで内部がより高温になり、上昇気流が増すとともに二次燃焼が起きるといわれます。つまり、燃焼効率をさらに高めることで、薪のエネルギーを有効活用でき、煙の排出が少なくなるのです。二次燃焼により、排気がとてもクリーンになる設計になっています。これが、ロケットストーブの機能が賞賛される理由です。なお、ロケットストーブには、ヒートライザーから煙道を横に延長させるなどして室内の暖房に利用するタイプもありますが、本記事では屋外でのキャンプや調理・焚き火用にターゲットを絞っています。ちなみにロケットストーブの名称の由来には諸説ありますが、完全燃焼状態となったときにゴーゴーと轟く吸気音がロケットのようだから、というのが有力なんだとか。この激しい音を楽しむのもロケットストーブの醍醐味でしょう。
レンガをどんな形に組み合わせれば機能的なロケットストーブになるのか?まずはアレコレ試した上で、自作するロケットストーブのデザインを決定します。ここで図面や設計図を描いてみてもいいでしょう。写真のデザインは、ドゥーパ!で掲載された連載「続々・田舎暮らしのDIY術」(84号)で登場した、簡易型レンガロケットストーブ。16個のレンガを写真のように積むだけの、超簡単なロケットストーブです。
組み上がったところで、まずは火をつけて十分に役割を果たすことを確認。
焚き口を広くしてみようと試しにレンガを1個はずしたら全然燃えなくなってしまいました。どうやら煙突部分が短くなって機能しなくなったようです。
ということで焚き口を広げたまま1段高く積み重ねてみたところ、機能復活。
どんどん高くしていきます。手持ちの耐火レンガを使い切ったので、途中から普通レンガを使っています。
これで煙突の高さ約60㎝。よく燃えて煙は少ないですが、煮炊きに使うには、もっと低いほうが炎は上まで届くのでよさそう。焚き口の延長も、わざわざレンガの数(=資材代)を増やして大型にする価値があるほど、ハッキリとした効果を感じられませんでした。
「これなら大型にする価値があるのでは?」と閃いたのが、煙突の上端に天板を作る形。耐火レンガで天板を作っておけば、ものを置くのに便利なだけでなく、バーベキュー炉にも使えます。
そしてさらなる閃きが!天板を囲って蓄熱すれば、ピザ窯になるのではと思い、耐火レンガを2段積み重ねて壁を作り、60×300×600㎜の大谷石を2枚載せてみました。
この高さでも炎が上まで届きにくいよう。ということで、もっと低くしてみました。
この高さぐらいが調子はいいようです。窯部分の前面も耐火レンガでふさいで蓄熱してみました。
試しに1時間くらい薪を燃やして窯を暖めてから、ピザを投入してみました。
いちおう焼けましたが、まだまだ窯内の温度が低かったよう。でも、もっとガンガン燃やせば大丈夫かな?ということで、この形で作ることに決定。ただし、快適に使うためには、土台に載せて焚き口を高くする必要があるようです。