外壁に劣化のサインが見られるようになったら、リフォームを検討するタイミングかもしれません。その際に多くの方が直面するのが、「どのリフォーム方法を選ぶべきか」という悩みです。実は、外壁リフォームにはさまざまな工法があり、外壁の状態やライフスタイルによって最適な選択肢が異なります。今回は、「塗装」と「張り替え」のどちらが適しているのかについて詳しくご紹介します。それぞれのメリット・デメリットを比較しながら解説します。外壁リフォームでお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
既存の外壁を洗浄し、汚れを取り除いたうえで塗料を塗り直す方法です。モルタル壁のひび割れ補修などの補修作業も含まれており、およそ10年ごとの定期的な施工で建物の耐久性を保てます。サイディング外壁の場合は、目地の状態を確認し、隙間や剥がれがあればコーキング(シーリング)を打ち直しましょう。(※モルタルとサイディングは、住宅外壁によく使われる代表的な素材です。モルタルはセメントと砂を混ぜて塗る塗り壁で、継ぎ目がなく意匠性や耐火性に優れている反面、ひび割れが発生しやすく、防水処理が必要になることがあります。一方、サイディングは工場で製造された外壁パネルを張る工法で、デザインの種類が豊富で施工も比較的容易ですが、パネル同士の継ぎ目にコーキング処理が必要となり、定期的なメンテナンスが求められます。)
既存の外壁を撤去せず、その上から新たな外装材を重ねて施工する方法です。鋼板や窯業系サイディングなど、好みに合わせた素材を選べます。塗装より費用はかかりますが、外観が一新される点が魅力です。この方法は、塗装だけでは外観の改善が難しくなってきた築20年以上の建物で検討するのが一般的です。
既存の外壁材を撤去し、下地から改修してから新しい外壁を施工する方法です。これにより、雨漏りや内部結露といった問題を根本から解消できます。加えて、断熱性や耐震性の向上を図るリフォームも同時に行えます。張り替えの目安は築25〜30年で、下地に劣化や構造的な問題が見られ始めた時期が適切です。
外壁塗装のリフォームは、屋根と同じように日々紫外線や雨風にさらされる外壁の劣化を改善する工事です。特にモルタル外壁は、地震などの影響でひび割れ(クラック)が生じやすく、美観だけでなく雨水侵入のリスクも高まります。施工ではまず高圧洗浄でカビや汚れをしっかり除去し、ひび割れを補修してからローラーや吹き付けによる塗装を行います。通常は塗料の密着を高める下塗りの後に中塗り・上塗りと重ね塗りを行います。サイディング外壁では、目地のコーキングを打ち直した上で塗装するのが基本です。
モルタル外壁の塗り替え時期は築後10年ほどが目安で、早めの補修が建物を長持ちさせる鍵となります。窯業系サイディングやガルバリウム鋼板などでは10〜15年程度が目安ですが、使用する塗料によって前後します。定期的な目視点検を行い、外壁の状態に応じて最適な時期に塗装しましょう。また、屋根の塗り替えも同時期に行うことで、足場工事が一度で済み、コストの削減につながります。サイディング外壁では目地の劣化による雨漏り防止のため、コーキングの交換も塗装と併せて行うことが重要です。
どれだけ丁寧に塗り替えをしていても、外壁材そのものの劣化は避けられません。一般的にモルタルやサイディングの耐用年数は35〜40年とされており、最終的には重ね張りや張り替えを検討する必要が出てきます。一方で、塗り替えが不要な素材もあり、屋根では瓦(陶器瓦)、外壁ではタイルが該当します。タイルには釉薬を使ったものや無釉の素焼きタイプがあり、基本的に塗装は不要ですが、目地の割れやタイルの浮きなど定期的な補修が必要です。樹脂系サイディングやALCも長寿命の外壁材であり、塗装の頻度は少なくて済みます。ただし、タイル調のサイディングは塗装仕上げのため、定期的な塗り直しが求められます。外壁材別の塗り替え周期と耐用年数の目安は、モルタル:10年/30〜40年、窯業系サイディング:10〜15年/35〜40年、金属系・樹脂系サイディング:不要/40〜50年、ALC:15〜20年/50〜60年、タイル:不要/超長期(定期補修必要)です。
外壁塗装に使われる塗料にはいくつかの種類があり、アクリル系やウレタン系が一般的ですが、より耐久性を重視するならシリコン系、無機系、フッ素系、光触媒系などが選択肢になります。これらの高性能塗料は耐候性に優れている分、費用も高めになります。塗料の選定は予算や外壁の状態に応じて、リフォーム会社と相談しながら見積もりを確認して決めるのが適切です。
外壁の塗り直しにかかる費用は、延床面積120m²程度の住宅でおよそ80万円〜120万円が相場です。この費用には足場の設置、外壁補修、そしてサイディングのコーキング打ち直しなども含まれています。なお、コーキングの打ち直しは単独でも施工可能ですが、足場費用込みで約20万円〜30万円かかるため、外壁塗装と同時に行うことでコストを抑えられます。
外壁塗り替えの工期は外壁のみの場合で約1週間〜10日程度が一般的です。屋根塗装も同時に行う場合は、工期は10日〜14日ほどになります。足場を共用できるため、屋根と外壁の同時施工は効率的で、トータルの費用を抑えるのにも有効です。
外壁の張り替えは、外壁材だけでなく下地も劣化しているケースで行う大規模なリフォームです。一般的な目安は築25〜30年頃で、このタイミングで壁内部の状態もしっかり確認してもらいましょう。雨漏りによる木部の腐食や断熱材の劣化が見つかることもあり、さらに耐震性に不安がある場合は、壁を剥がすこの機会に補強工事を行う絶好のタイミングです。目立った問題がなくても、断熱性能の見直しや耐震補強を兼ねた施工を同時に行うことで、より快適で安心な住まいに生まれ変わります。
張り替え工事にかかる費用は、新しく使う外壁材の種類やグレードによって変動します。窯業系サイディングは1m²あたり約3万円、金属系は約3万50,00円、木質系で約4万円、樹脂系は約2万5,000円が目安です(いずれも材工単価であり、解体・足場・断熱・耐震補強・サッシ交換などの費用は含まれていません)。建物全体で見ると、延床面積120m²程度の家で約200万円〜400万円が費用の相場となります。断熱材の交換や構造補強の有無によっては、さらに費用がかかることもあります。
外壁張り替えの工期は、おおよそ2週間〜4週間ほどです。工事の規模や施工内容によって差が出ます。リフォーム内容別に比較すると、外壁の塗り直しは約80万円〜120万円で工期は1週間〜10日、重ね張り(カバー工法)は約150万円〜300万円で工期は2〜3週間、そして張り替えは約200万円〜400万円で工期は2〜4週間が目安です。費用と工期のバランス、そして建物の状態を総合的に見て、最適な方法を選びましょう。
適切なタイミングで塗装を行えば、高額な外壁の重ね張りや張り替えといった大規模リフォームの時期を先延ばしにできます。そのため、塗装やメンテナンスの周期を守ることが、長期的なコスト削減と建物の寿命延長につながります。もっと詳しく知りたい方は、ぜひカシワバラ・コーポレーションまでお気軽にご相談ください。お客様に最適なプランをご提案いたします。