水害は突然発生することが多いため、事前の備えが大切です。とはいえ、具体的にどんな対策をすればよいのか分からず、迷っている方も多いのではないでしょうか。実は、住まいのリフォームや日ごろの準備によって、水害への備えは着実に進められます。この記事では、水害対策に役立つリフォームや日常の備えについて、わかりやすくご紹介します。
水害とは、主に大雨や台風による多量の降水が原因で発生する自然災害のことを指します。水害は大きく分けて「外水氾濫」と「内水氾濫」の2種類に分類されます。そのひとつである外水氾濫は、台風や集中豪雨により河川の水位が上昇し、堤防を越えて水があふれ出すことで発生します。このようなケースでは、周囲の住宅地や農地が広範囲にわたり浸水し、短時間で甚大な被害が出ることがあります。特に、家屋の全壊・半壊や人的被害が生じる原因の多くは、この外水氾濫によるものです。
内水氾濫は外水氾濫とは異なり、降った雨が排水されずにそのまま地表にたまり、浸水を引き起こす現象です。主な原因は下水道や排水路の処理能力不足であり、急な大雨によって排水が追いつかなくなることで起こります。特に都市部では、地面がアスファルトやコンクリートで覆われているため、雨水が地中に浸透しにくく、内水氾濫のリスクが高まります。また、地下街やアンダーパスといった地形的に低い場所では、水がたまりやすく被害が大きくなる傾向があります。
日常的な対策として、まずは自宅の周辺を定期的に確認することが重要です。目立った不具合や危険箇所がないかチェックしておきましょう。確認の際には以下のような点に注意してください。
・外壁にひび割れや破損がないか(雨漏りの原因になります)
・風で飛ばされやすいもの(ゴミ箱・植木鉢・物干し竿など)は屋内に収納されているか
・窓ガラスにヒビが入っていないか、窓枠が緩んでいないか
・屋根瓦やトタンの固定がしっかりしているか、部材が劣化していないか
・雨どいや排水口に落ち葉や泥が詰まっていないか
地域の水害リスクを確認するには、自治体が公開しているハザードマップの活用が効果的です。どの地域が浸水しやすいか、自宅がどの程度の被害を受ける可能性があるかを把握しておくと、適切な避難行動につながります。また、家族が別々に行動しているときに備えて、避難場所も共有しておきましょう。災害時は通信が途絶える可能性もあるため、集合場所を事前に決めておくことが重要です。
突然の災害に備えて、最低限の非常用品は常備しておくことが大切です。水害が発生すると、ライフラインが途絶えるおそれがあります。飲料水や保存食、医薬品、懐中電灯、カセットコンロ、ガスボンベなど、必要なものを家族の人数に合わせて揃えておきましょう。また、これらの非常用品はすぐ持ち出せる場所にまとめて保管し、通帳や保険証、印鑑などの貴重品も一緒に管理しておくと安心です。
豪雨対策としてまず検討したいのが、雨どいのリフォームです。雨どいは降った雨水を集めて排水する役割を持つため、耐久性の高いものに替えることで豪雨対策が可能です。スチール製の雨どいや、高耐候性特殊樹脂を使用した製品は特におすすめです。また、軒やひさしの設置や雨戸の後付けも有効な方法です。
水害対策の一環として窓を複層ガラスにする方法もあります。複層ガラスは複数のガラス板の間に乾燥空気やアルゴンガスを封入しており、水の浸入を防ぎやすくなります。さらに雨戸やシャッターを取り付けることで、飛来物による窓割れや雨風の侵入リスクも軽減できます。
屋根は最も雨の影響を受けやすい場所のため、屋根の下に防水シート(ルーフィング)を敷設するリフォームも効果的です。これにより雨漏り防止はもちろん、雨水の侵入自体を抑制できます。外壁についても、防水性の高い素材を使ったり、防水塗料で塗り替えたりすることで、さらに雨水から家を守ることが可能です。
外壁や屋根の点検・メンテナンスを怠ると、建物の耐水性が低下し水害に弱くなる恐れがあります。水害に強い家にするためには定期的なチェックが不可欠で、一般的には10年に一度のメンテナンスや塗り替えが推奨されています。
止水板(防水板)とは、豪雨や災害時に建物内部や地下への水の侵入を防ぐための板状の装置を指します。止水板には防災用品と土木建築材料の2種類があります。防災用品としての止水板は、住宅の玄関やマンションの入り口、地下鉄の出入口などに設置され、水の流入を防ぐ役割を担います。これにより地下や建物内部への浸水を防止します。土木建築材料としての止水板は、コンクリート構造物の継ぎ目部分に使用される建材で、地下施設の建設やダム、トンネル、高架橋、防潮堤などの土木工事に使われます。これは、コンクリートの継ぎ目からの漏水を防ぎ、水の侵入を阻止する目的で設置されています。
浸水を防ぐ手段として、玄関などの出入口に止水板を設置する方法があります。止水板は水の侵入を防ぐための板で、ゴム製が一般的ですがコンクリート製のものもあります。取り付けや取り外しが簡単で、素材によっては錆や腐食に強く、収納時にかさばらない点がメリットです。土のうと比べても設置が手軽で効果が高いため、急な浸水対策に適しています。
敷地を盛り土などでかさ上げする方法も浸水対策の一つです。水は低い場所に流れやすいため、地形によっては自分の敷地に水が集まりやすくなる場合があります。敷地全体の高さを上げて水が入りにくくすることが有効ですが、土工事は費用が高くなる傾向があり、開発申請や高さ制限などの法的な制約もあるため慎重に計画する必要があります。
木造住宅など自重が軽い建物は、水の浮力で建物が持ち上がるリスクがあります。そのため、基礎との接合部分を強化することが重要です。基礎工事は費用が高くなる場合がありますが、より水害に強い建物にする効果があります。また、基礎の高さを上げることでも1階部分の浸水リスクを減らせます。
浸水対策には外壁のリフォームも欠かせません。外壁は紫外線や雨風にさらされやすく、劣化が進むとひび割れなどが生じて雨水が侵入しやすくなります。特に豪雨時には壁面への雨の影響が大きく、室内への雨水浸入のリスクが高まります。劣化が進んでいたり、10年以上塗り替えをしていない場合は外壁のリフォームを検討しましょう。
予測が難しい自然災害から、大切な家族と住まいを守るために、早めの対策が重要です。大切な家族や住まいを守るために、誰もができる限りの対策をしておきたいと考えるのは自然なことです。万全の耐震対策で大切なご家族を地震から守りましょう。不明点がある場合や、どんな事例があるのかを知りたい場合は、カシワバラ・コーポレーションまでお気軽にご相談ください。お客様に最適なプランをご提案いたします。