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光の絵筆が生み出す“空間の表情”。カシワバラ・コーポレーションとモデュレックスの照明デザイン

作成者: カシワバラさんの暮らし。編集部|Sep 19, 2025 7:39:05 AM

カシワバラ・コーポレーションは、照明デザイン分野で高い専門性を持つ株式会社モデュレックスと協業し、空間に光の表情を
取り入れた事例を多く手掛けています。舞台照明をルーツに持つモデュレックス独自の技術と、建築・内装を統括するカシワバラ・コーポレーションのコーディネイト力によって、ワンランク上のオフィス空間を作り上げてきました。
空間づくりにおいて“光”を見逃さないこと。それこそが私たちの協業の出発点です。
今回は、カシワバラ・コーポレーション東京本社での事例をお見せしながら、内装における照明効果について、ご紹介します。

オフィス空間における照明の役割

株式会社モデュレックス 新井氏と熊坂氏、株式会社カシワバラ・コーポレーション 小川氏

カシワバラ・コーポレーションとモデュレックスの協業事例のなかでも、とくに多いのがオフィス空間です。

オフィスにおける照明の役割は、単に「空間を明るく照らすこと」だけではありません。その会社の職種や、各部屋の用途、使用する時間帯など、さまざまな条件を踏まえて照明の最適解を導き出す必要があります。

カシワバラ・コーポレーション東京本社

新たにオフィスを立ち上げるときに、内装設備やデザインなどを意識しても、照明にまでこだわるクライアントは多くありません。しかし、働きやすさと空間演出の両立をさせるためには、光を意識することはとても重要なのです。

日中の会議で眠気を感じたり、長時間のデスクワークで目が疲れるのは、照明環境が大きく影響しています。たとえば、一昔前のオフィスによくみられるような、蛍光灯による均一で強い照度を保つ照明。こういったものは、費用を抑えられる反面で、空間の単調さが目立ち、社員の疲労感にもつながりやすいといったデメリットもあり、多くのオフィスで改善が求められているものでもあります。

カシワバラ・コーポレーション×モデュレックス 協業に至った経緯

株式会社モデュレックス・新井氏

「モデュレックスは舞台照明をルーツとし、光で空間を演出する技術を発展させてきました。東京・表参道の大型商業施設や、全国のオフィス空間での豊富な実績に裏打ちされた『光の絵筆で描く』という演出アプローチが特徴です」(新井氏)

カシワバラ・コーポレーション 小川氏

カシワバラ・コーポレーションでは、これまでオフィスのリニューアルや新規立ち上げのプロジェクトを多く手掛けてまいりましたが、その中でも『ここぞ!』というときにお願いする照明分野のプロフェッショナルがモデュレックスです。こちらのカシワバラ・コーポレーションのオフィス照明もすべてモデュレックスにお願いしましたが、実際にオフィスで仕事をしている私たちも、照明効果がどれほど重要であるかを実感しています」(小川氏)

株式会社モデュレックス・熊坂氏

「モデュレックスとカシワバラとの出会いは、カシワバラ・コーポレーションがモデュレックスの照明に関心を寄せてくれたことがきっかけでした。カシワバラは内装のプロフェッショナルですが、その中でも照明は専門的な知見が欠かせない領域であり、プロジェクトでご一緒するたびに、私どもの照明に対する独自の考え方や手法がカシワバラ・コーポレーション社内にも広く受け入れてもらえるようになりました。今では、設計の段階からモデュレックスが照明担当として関わらせていただくことが増えています」(熊坂氏)

モデュレックス独自のフィッティング技術

カシワバラ・コーポレーション東京本社のワークラウンジ

モデュレックスは、空間に合わせた照明プランニングからシミュレーション、機器選定、演出システムの設計までを担います。特に特徴的なのは「フィッティング」と呼ばれる最終調整工程です。
現場で実際の光の当たり方や陰影を確認しながら、器具の角度や照度を緻密に調整することで、空間に奥行きと豊かな表情を生み出します。まさに光の絵筆で描くように光を操る姿勢が、空間全体に新しい価値を与えているのです。

上の写真はカシワバラ・コーポレーション東京本社のワークラウンジ。固定席を設けないフリーアドレスとし、その日その日でランダムな席配置となる抽選席システムを導入しています。
この開放的な空間にも、モデュレックスこだわりの照明技術が導入されています。時間帯(朝・昼・夜)に合わせて色温度や明るさを変え、人間の体内時計に合わせるサーカディアンフィッティングを導入し、健康的な就業環境をつくることに貢献しています。

社員からは「目の疲れが軽減され、仕事がしやすくなった」という声が聞かれ、来訪者には「ブランドにふさわしい空間」という印象を与えることができました。
また、省エネ設計を取り入れたことで、エネルギーコストの削減効果も実感されています。

カシワバラ・コーポレーション東京本社の会議室

こちらの2つの会議室は、とくにユニークな照明の使い方をしている事例です。

写真左の会議室は、真っ黒な空間に天井とテーブルのライトの照明だけの空間。これは「会議中に資料やパソコンのモニターを眺めているのではなく、お互いの顔を見て話そう」というコンセプトで設計されたものです。

写真右の会議室は無駄を排除した真っ白な空間です。「会議を早く終わらせたくなる、居心地が悪い空間」を目指しています。どこにも影が落ちないという、とても不思議な空間です。

こういった演出は、内装やデスク・チェアだけでなく、照明の効果も必要不可欠なのです。

プロフェッショナルとタッグを組むカシワバラ・コーポレーションのこれから

カシワバラ・コーポレーションとモデュレックスは、単発のプロジェクトにとどまらず、継続的にタッグを組みながら空間づくりに取り組んでいます。そこには、カシワバラが培ってきた「建築・内装全体を調整する力」とモデュレックスの「光を操り空間に表情を与える力」という、両社の強みを活かしたパートナーシップがあります。

お客様にとっての照明の価値は、単なる「明るさの確保」ではありません。働きやすさや健康的な環境、ブランドを体現する演出、省エネによるコスト削減といった、多面的なメリットをもたらすことです。照明は空間の印象を左右する大きな要素でありながら、見落とされがちな領域でもあります。そこにプロフェッショナルが関わることで、同じ空間でも大きな違いを感じていただけます。

カシワバラ・コーポレーションは、モデュレックスの掲げる「光の絵筆」という思想をともに体現しながら、今後もお客様の期待を超える空間づくりを続けてまいります。