リノベーションについて

ワークファニチャーが変える、オフィスの未来。カシワバラ・コーポレーションと三宅哲氏の協業

作成者: カシワバラさんの暮らし。編集部|Sep 19, 2025 7:09:24 AM

オフィスづくりにおいて、照明や内装デザインは注目されやすい一方で、椅子や机といった什器は「定番の製品を使うのが当たり前」と捉えられがちです。

しかし実際には、什器は働き方や健康、生産性、そして企業文化そのものを支える重要な要素です。

私たちカシワバラ・コーポレーションは、FFEプランナーの三宅哲氏と継続的に協業し、オフィス環境における什器の価値を最大限に引き出す提案を行っています。

今回は、三宅氏にオフィスにおける什器選びの重要性についてお聞きしました。

カシワバラ・コーポレーション × 三宅哲氏 協業の経緯

三宅氏(左)、カシワバラ・コーポレーション 中野氏(右)

三宅氏との協業が始まったのは2017年。カシワバラ・コーポレーションがオフィス家具や什器の知見を深める必要を感じていた時期に、前職ハーマンミラー社でオフィス什器を担当されていた三宅氏と出会いました。

カシワバラ・コーポレーション 中野氏

「当時、私はリノベーションデザインの工事の担当でしたが、できたばかりの部署で、内装に関する知識だけでなく、家具やオフィスに関する知識も勉強不足でした。その頃、スペシャリストである三宅さんに、什器の選び方や提案の仕方などを教えていただきつつ、営業のお手伝いもお願いしていたのです。三宅さんが独立されてからも、デザインに関するトレンドなど、まだまだ教えていただくことがあって、どんどんオフィスのリニューアルや新築工事で什器計画をご一緒する機会が増え、今日まで協業を重ねています」(中野氏)

三宅哲氏プロフィール

三宅哲氏は FFEプランナー(Furniture, Fixture & Equipment Planner) として、オフィスや商業空間における什器・家具・内装アイテムの選定と提案を行っています。

現在は、床材総合メーカー「Shaw Industries Group, Inc.」の日本エージェントを務め、さらにスイスのテーブルブランドの日本エージェントとして、無垢材を用いた住宅・コントラクト向けテーブルも扱っています。

キャリアのスタートはインテリア・家具メーカー。前職のハーマンミラー社ではオフィス什器の提案を専門に担当し、カシワバラと初めて協業しました。以降も、豊富な国際感覚と知見を活かしながら、什器の提案を通じてオフィスの価値向上に貢献しています。

オフィス空間における什器の役割

フリーアドレス制を導入しているカシワバラ・コーポレーションのオフィス

オフィス移転や改装の際に最も多いご相談は「環境改善」や「働きやすさ」に関することです。椅子や机はもちろん、リフレッシュルームや水回り、リラクゼーションスペースの整備も課題に挙がります。

什器は単なる備品ではありません。働き方や部署ごとの特性に合わせて最適に選定することで、健康や生産性に直結します。

スクリーンとベンチを配置した社内プレゼンテーションスペース

三宅氏はこう語ります。

「営業担当の方は社外に出ることが多く、デスクに座る時間が短いため、軽快に使える椅子で十分です。一方で、長時間座って作業する部署には高機能なチェアを導入する必要があります。大切なのは“役職ではなく働き方に合った什器を選ぶこと”です。上席だから良い椅子、一般社員だから簡易的な椅子、という考え方はもう時代に合いません」

さらに健康経営の観点からも、什器は重要です。

「高価な椅子を導入しても、正しく使わなければ宝の持ち腐れです。腰痛や肩こりの軽減につながる調整機能が、実際には十分に活用されていないことが多い。だからこそ、納品後に社員一人ひとりにレクチャーを行い、機能を理解してもらうことが大切です。モニターアームなどの周辺什器を組み合わせれば、姿勢改善や生産性向上にも直結します」

リラクゼーションの一環としてカフェスペースを設置

加えて、コロナ禍以降のオフィスには「レジデンシャルライク」な要素の必要性も出てきました。

「在宅勤務で培ったリラックス感をオフィスに取り入れることで、ストレスを軽減できます。観葉植物を置いたり、ラウンジ風のソファを配置したり、人によって“ほっと一息つける空間”は違いますが、そうした環境をオフィスの中に用意することが求められています」

このように、什器の選定と活用は単なる物品調達ではなく、健康・働き方・企業文化をつなぐ戦略的な要素であることがわかります。

東京本社の改装では、什器の配置や選定を通じて「可変性」と「ストーリー性」を両立しました。執務エリアでは抽選制の座席を導入し、部署や役職を越えたコミュニケーションを自然に促しました。什器は単なる設備ではなく、働き方をデザインする“もう一つの設計要素”として機能しているのです。

プロフェッショナルとタッグを組むカシワバラ・コーポレーションのこれから

私たちカシワバラ・コーポレーションの強みは、プロジェクトを円滑に進める調整力と、クライアントに寄り添う姿勢です。そこに三宅氏の専門知識が加わることで、さらに一歩先を行く提案が可能になっています。

三宅氏は「オフィスの姿は企業の数だけあります。流行を追うのではなく、その企業の文化に合った空間をつくることが大切です」と語りますが、この考え方は、私たちカシワバラ・コーポレーションの姿勢とも重なります。

今後も最適なパートナーと協業しながら、お客様にとって最善のオフィス空間を提供し続けてまいります。