マンション理事会で監事に議決権はある?権限や業務を解説!

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      「監事になったけど何をしたらいいかわからない」「ほかの役員みたいに決議に参加できるの?」

      そんな疑問を持つ方のために、今回はマンション管理組合における監事の権限や業務を解説します。

      理事会における監事とは?

      チェック業務が監事の主な役割

      マンション管理組合の監事とは、組合における業務の執行状況や財産を監視する役割を持つ役員のことです。

      また、監事は理事会の承認を得ずに臨時総会を開催できるという権限も持っています。

      役員には大きく分けて理事と監事の2種類がありますが、監事は理事を兼任することができません。なぜなら、管理組合の業務に関する執行権を持つ役員が理事であり、監事は理事を監視する立場にあるからです。

      そんな特殊な役職である監事について、詳しい業務内容を見ていきましょう。

      理事会の業務をチェック

      監事の主要な業務の一つに業務監査と呼ばれるものがあります。これは管理組合の業務執行が適切に行われているかチェックするものになります。

      具体的には管理規約や総会決議に従った組合の運営や、総会で承認された事業計画に基づいた点検・工事・清掃がされているかどうかなどを確認します。

      会計が適切かをチェック

      会計監査も大きな役割

      もう一つの主な役割として、会計監査というものがあります。この業務では管理組合の財産管理が適正に実施されているかを確かめます。

      例えば、管理費などの収入が正しく計上されているか、管理会社などの協力企業に妥当な金額で支払いをしているかなどを監査するものになります。

      臨時総会の招集が可能

      業務監査や会計監査の過程で不正があると認められた場合、監事は理事会の承認を得ずに単独で臨時総会を開催することができます。

      これは2016年に公表されたマンション標準管理規約において新たに定められたもので、これにより監事の権限が大幅に強化されました。

      臨時総会では例えば、不正を行った理事の解任が議題とされることなどがあり得るでしょう。

      理事会の監事に議決権はある?

      前述のとおり監事は理事を兼任することができないことから、監事には理事が有する業務の執行権がなく、理事会で上程された議案に関する決議に参加することができません。

      なぜなら、監事はあくまで理事会の運営が適切に行われているかどうかを客観的に判断する立場にあり、議決に加わって議案の賛成派・反対派のどちらかの有利になるよう行動すれば、判断の客観性が失われてしまうからです。

      ただし、理事会で意見を述べることは可能であり、議案に関する議論には関わることができるということを覚えておきましょう。

      監査を行うという特殊な立場のため権限が異なる

      監事は管理組合における業務の執行状況や財産管理、理事会の監視が仕事であり、臨時総会を招集するという大きな権限も持っています。

      しかし理事が持つ理事会での議決権はなく、意見を述べることができるに留まっています。

      もしも監事になるようなことがあれば、できることとできないことをしっかりと把握して、権限を逸脱することがないようにしたいですね。

      イラスト:大野文彰

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      【連載】

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