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マンション理事長の役割とは? 権限や報酬の相場は!?

管理組合のなかでも、とくに重要な役割を担う理事長。マンションの区分所有者であれば、いずれ就任する可能性も。そこで理事会役員になったら知っておきたい、理事長の役割や権限、報酬の相場などについて紹介していきます!

理事長は理事会ならびに管理組合の「代表」

管理組合の実質的な運営を担当するのは理事会です。理事会の主な業務は、総会に提案する議題を決定すること。区分所有者から納められる管理費や修繕積立金の使い道、管理規約の変更を議題としてあげるかどうかなどの話し合いを行います。そして総会において、議題を承認するかどうかを決定します。そんな理事会や総会で、主に意見の取りまとめや参加者の招集を行うのが、理事長の役割です。

理事会の構成メンバーである役員(理事)は、管理組合員のなかから立候補もしくは輪番制によって任命されます。そのなかで理事長は基本的には各理事のなかから推薦や立候補、くじ引きなどによって選出されます。理事長は区分所有法において「管理者」と位置づけられ、理事会ならびに管理組合の代表として管理規約や総会決議に従いながら業務を統括していく役割を担うことになります。

理事長の権限

理事長が管理組合や理事会の代表であるといっても、議題にあがった事柄について独断で決定することはできません。総会で区分所有者の過半数以上の賛成を取るなどによって決定する必要があります。しかし総会では、区分所有者の大半が「議長(=理事長)一任」の委任状を出してしまうケースも多いといいます。

つまり実情は、理事長の判断に任せる区分所有者が多いということ。もちろん理事長以外の理事は、予算案やその他の議案の提案など、理事会などで意見を言うことはできます。しかし総会で実質的に多数の議決権を持つことになる理事長から反対されると、なかなかそのほかの理事の意見が通りにくいであろうことも予想できます。

それぞれのマンションの事情によって異なるでしょうが、ここまでの話を踏まえると理事長の権限は想像以上に大きいといえます。

理事長の報酬は?

報酬

いくら自分が区分所有しているマンションだからといって、無報酬で理事長の業務に携わらなければならないわけではなく、管理組合の合意に基づく必要がありますが、報酬を発生させることもできます。報酬を支払うことで、「理事長のなり手がいない」「辞退者が続いている」という課題の解決や、業務の偏りからくる不公平感をなくすことにもつながるでしょう。

ちなみに、国土交通省が2018年に行った調査によると、理事全員に報酬を支払っている管理組合の割合は全体の2割程度。なお理事全員の金額が一律でない場合、理事長の報酬額は5000円以下が56.1%で、1万円以上は20%。割合として半分以上は5000円以下ですが、なかには1万円以上支払っているケースもある、ということです。とくに管理会社を入れていないマンションでは、支払う金額も高額になっている傾向があります。

一方で理事に支払う報酬が役職に関係なく一律の場合は、2000円以下が47.6%となっています。

マンション総合調査(2018年度)

もしも理事長を解任させるには?

区分所有法によると、総会の決議によって理事長を解任させることはできます。ただ、やっかいなのは、解任を決議するための臨時総会の招集権は、区分所有法では理事長にあるとされている点。自分が解任されるにも関わらず、わざわざ臨時総会を開いて人を集めることは考えにくいでしょう。

ただ区分所有法には、理事長が総会を開かない場合、区分所有者の5分の1以上、もしくは議決権の5分の1以上の賛成があれば総会の招集ができると記載されています。

臨時総会 -開催方法と事前準備-

理事長は断ることもできるが……

理事長は前述した通り、立候補や推薦、くじ引きなどで決められます。立候補は別として推薦やくじ引きで決まった場合、本当は引き受けたくないが、やむなくという方もいるでしょうが、実は任命されたとしても辞退は可能です。法的な罰則などはありません。

しかし「やりたくない」といった感情的な理由で辞退する場合、他の理事から不満が出ることも考えられます。同じマンション内で暮らす他者との関係性を良好に保つためにも、なるべく辞退は避けたいところ。もちろん、海外赴任で長期間家を留守にするなど、正当な理由があれば別です。

理事長になることでマンション全体が見渡せる

理事長になれば、修繕積立金などの管理組合が管理するお金やマンション住民から届く悩みなどを通じて、マンションの現状を広く見渡せるようになります。そこで得た気づきが、マンションをより良くするためのアイデアにつながることも。理事会にせっかく入ったのなら、理事長を経験してみるのもありかもしれませんね!

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この連載について

【連載】

理事会役員超入門

マンションだからといって、購入後の管理はすべて管理会社にお任せ!というわけにはいきません。ほとんどのマンションにおいて、理事会の選考は立候補制ではなく、メンバーが入れ替わる輪番制。つまり、居住者誰もが理事会を担当する可能性が。というわけで本連載では、理事会役員になったらまず、これだけは知っておきたい!という超入門知識をご紹介。しっかり知識を身につけて、より良いマンションライフを送りましょう!
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