修繕委員会へ報酬を出す義務はある? メリット・デメリットも解説

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      大規模修繕にあたって修繕委員会を組織した際、委員会のメンバーに報酬を支払う必要があるか迷う人もいるのではないでしょうか。

      そこで今回は、修繕委員会のメンバーに報酬を支払う義務があるかどうか、支払う場合のメリット・デメリットを解説します。

      修繕委員会に報酬を支払う義務はない

      修繕委員会への報酬は基本的に不要

      マンションの大規模修繕に際して設けられる「修繕委員会」。委員会のメンバーには、大規模修繕の知識がある人や前向きに業務に取り組む意志のある人が集められます。

      基本的に報酬を支払う必要はなく、区分所有法や国土交通省から出されている「マンション標準管理規約」にも定められてはいません。

      国土交通省から発表されている「マンション総合調査」によると、マンションの運営・管理に弁護士や建築士、マンション管理士といった外部専門家が関わっている場合には報酬を支払っているケースがあるようですが、全体としては一部のようです。

      報酬を支払う場合には、金銭トラブルを防ぐためにも、委員会の規則に金額や条件を明記しておきましょう。

      なお、委員会運営にあたって必要な物品代や交通費は、住民から集めた管理費のなかから経費として支払います。

      国土交通省「マンション総合調査」

      修繕委員会に報酬を支払うメリット

      報酬の支払いはモチベーションの向上につながる

      大規模修繕の実施には、修繕部分の建物診断や経費の調整、スケジュールなど多くの業務があり、工事完了まで約1〜2年かかります。

      円滑に工事を進めるため、修繕委員会のメンバーには多くの時間を割いてもらう必要がありますから、有志で集まってもらったとはいえ少なからず負担となるでしょう。

      そこで、業務へのお礼の気持ちとして報酬を支払うと、マンションの管理・運営に携わるモチベーションを高められるというメリットがあります。

      月額報酬というかたちを取らずとも、総会承認を得たうえで慰労金として一定額を支払ったマンションもあるようです。

      修繕委員会に報酬を支払うデメリット

      報酬の支払いにはもちろんコストがかかります。費用は住民から集めた管理費や修繕積立金のなかから支払いますから、会計上の余力が必要です。

      また、修繕委員会は理事会の諮問機関として組織されているため、理事会メンバーにも報酬を支払わないと、不平等だとクレームになる可能性もあるでしょう。

      また、管理規約に報酬の記載がない場合には、総会で区分所有者の承認を得る必要があります。よって手続きの時間や工程がかかってしまう点もデメリットです。

      報酬を支払うなら管理規約での明記が必要

      修繕委員会のメンバーに報酬を支払う義務はありません。外部の専門家に参画してもらっている場合には報酬を支払うケースもありますが、有志の住民に対して支払っているマンションは少ないようです。

      また、報酬を支払うには経費との兼ね合いや総会での承認が必要となり、手続き上の手間もあります。

      とはいえ、報酬を支払うと、業務への感謝を示せるとともに、メンバーのモチベーションアップといった効果が期待できます。

      各マンションの予算やメンバーの業務レベルによっては、報酬を検討してみてもいいかもしれませんね。

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