親から相続した実家などが、空き家のまま放置されているケースは決して珍しくありません。売却も容易ではなく、所有しているだけで固定資産税がかかるうえ、使わずに放置すれば建物はどんどん傷んでしまいます。このような状況に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?今回は、空き家の扱いに困っている方に向けて、空き家リフォームの利点や費用、補助金制度についてわかりやすく解説します。ぜひ判断材料のひとつとしてご活用ください。
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空き家リフォームとは?特長と注意点を解説
空き家リフォームとは?特徴と概要
空き家のリフォームでは、一般的な中古住宅の改修と比べて、建物の劣化状況をより入念に確認する必要があります。特に長期間人が住んでいなかった場合は、外観では分からないダメージが進行していることも多いため注意が必要です。なかでも重要なのが、建物の構造が安全かどうかをしっかりと見極めることです。空き家は定期的な手入れがされていないことが多く、雨漏りによる柱の腐食やシロアリの被害など、見えない部分で劣化が進んでいるケースも少なくありません。このため、専門家による建物診断(インスペクション)を受けることが推奨されます。リフォームが実際に可能かどうか、またどのような工事が必要なのかを把握するうえで、大切なステップとなります。
空き家リフォームで特に注意したいのが、水回りの設備です。長期間使用されていない配管は劣化が進みやすく、給排水管の取り替えを含む大がかりな工事が必要になることが少なくありません。そのため、一般的な中古物件のリフォームと比べて、空き家の改修には多めの時間と予算を見込んで、余裕を持った計画を立てることが大切です。
空き家リフォームのメリット
・新築より費用を抑えられる
空き家を取り壊して新たに家を建てる場合、解体費用に加えて新築費用がかかるため、全体の負担は大きくなります。一方、空き家をリフォームすれば、建物の構造を活かせるため、新築や建て替えに比べて費用を抑えられるケースが多くあります。
・資産価値の向上につながる
老朽化が進んだ空き家や築年数の古い住宅は、資産価値がほとんどない状態になりがちです。立地が良くなければ売却も難しくなります。ただし、基礎や骨組みがしっかりしていれば、リフォームによって見違えるほど価値が上がる可能性もあります。また、空き家を持っているだけでも固定資産税は発生します。特に「特定空き家」に指定されると、軽減措置の対象外となり、税額が上がることもあります。こうした経済的負担を抑えるうえでも、空き家のリフォームは有効な選択肢です。
・倒壊や犯罪のリスクを回避できる
使われていない家は傷みが早く、特に雨漏りや窓ガラスの破損などがあると、建物全体の劣化が一気に進みます。その結果、倒壊の危険性が高まり、近隣に迷惑をかける可能性も出てきます。また、空き家は不審者の侵入や不法投棄、放火といった犯罪の温床になることも。リフォームして活用することで、そうしたリスクも大きく減らせます。
・古い家ならではの価値ある建材を活かせる
近年では、古材の持つ味わいを活かした内装や家具が人気を集めています。和風の古民家スタイルだけでなく、無骨なインテリアやヴィンテージ風のアメリカンスタイルなどにも取り入れられています。築年数が古い家には、太く立派な梁や、しっかりと乾燥させ強度を高めた柱など、現在では入手困難な貴重な建材が使われていることもあります。リフォームを通じて、こうした素材の魅力を引き出すことができるのは、古い住宅ならではの強みです。
空き家リフォームの注意点とリスク
・空き家の状態によっては費用が高額になる場合も
空き家のリフォームは、一般的に新築や建て替えに比べて費用を抑えられる傾向がありますが、建物の状態によっては逆にコストが大きくなることもあります。たとえば、建物の基礎部分がシロアリの被害を受けていたり、腐食が進んでいたりする場合、大規模な修繕が必要になり、結果的に建て替えの方が経済的というケースもあります。ただし、補助金制度を活用したり、必要のない工事を見極めて省いたりすることで、全体の費用負担を軽減できる可能性もあります。浴室やキッチンといった住宅設備のグレード、内装の素材などに優先順位をつけ、こだわる部分とコストを抑える部分のバランスを考える必要があります。
・築年数によっては耐震補強が必要になることも
空き家をリフォームする際に特に気をつけたいのが耐震性です。古い建物では、現行の耐震基準を満たしていないことも多く、安全に暮らすためには耐震工事が必要になる可能性があります。日本の建築基準法では、1981年に耐震基準が大きく見直されました。そのため、それ以前に建てられた住宅は、耐震性能が不十分であるケースが多く、補強工事にかかる費用も考慮したうえでリフォーム計画を立てることが重要です。
空き家リフォームの費用と相場
フルリフォームの費用はどれくらい?
空き家のリフォーム費用は、建物の状態や工事内容によって大きく異なります。無理のない計画を立てるためにも、まずはおおよその費用相場を把握しておくことが重要です。フルリフォームとは、キッチンや浴室などの水回りから内装・外装まで、住宅全体を改修する大規模な工事を指します。費用の目安としては、500万円〜2,000万円程度が一般的で、工期はおよそ3〜4カ月が目安です。
築年数が40年以上経過した建物では、老朽化した配管や電気配線の交換が必要になるケースが多く、1,000万円以上の予算が必要になることも少なくありません。建物の規模や立地条件によっては、2,500万円を超えるケースもあります。
延床面積ごとのおおよその費用相場としては、約30坪(100㎡)までで800万円〜1,500万円、約40坪(132㎡)までで1,200万円〜2,000万円、約50坪(165㎡)以上では1,500万円〜2,500万円ほどが目安となります。リフォームにかかる費用は、工事内容や素材の選び方によっても上下します。
まずは信頼できる業者に見積もりを依頼し、状態に応じたプランを検討することが大切です。
部分的リフォームの費用はどれくらい?
部分的なリフォームは、予算や改修の優先度に応じて必要な場所から段階的に進めることができるため、費用を抑えながら効果的に住環境を整える手段として有効です。特に水回りは劣化が進みやすいため、早めの対応が推奨されます。キッチンのリフォームでは、システムキッチンの交換のみであれば約50万円から可能ですが、給排水管の取り替えやレイアウトの変更を伴うと、費用は150万円程度までかかることもあります。浴室のリフォームは、ユニットバスの交換で50万〜150万円、洗面所の改修は30万〜80万円が一般的な相場です。内装に関しては、壁紙の張り替えが1㎡あたり800〜1,500円、フローリングの張り替えが1畳あたり3万〜6万円程度となっており、床や壁の下地の状態によっては追加費用が発生する可能性もあります。そのため、見積もり時には余裕を持った予算設定をする必要があるでしょう。
費用を抑えるためのリフォーム方法
空き家のリフォームには多額の費用がかかりますが、国や自治体の補助金や助成金を活用すれば、負担を軽減できます。国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では、耐久性や省エネ性を高める改修工事に対して最大300万円の補助が受けられます。
対象工事には耐震改修や外壁・屋根の断熱改修、高効率給湯設備の設置などがあります。事前に登録された事業者による工事が必要で、申請は工事前に行う必要があります。自治体の助成金制度も地域ごとに異なり、東京都の「空き家家財整理・解体促進事業」や「区市町村による空き家に関する支援制度」などでは、改修費用の一部を補助してもらえます。
空き家バンクに登録した場合、改修費用の2分の1〜3分の2が補助されることもあります。さらに、減税制度を活用することで、住宅ローン減税やリフォーム投資型減税で最大80万円まで所得税が控除され、耐震改修や省エネ改修で固定資産税が軽減される制度もあります。
空き家リフォームで賢い資産管理を。空き家にお困りなら是非カシワバラまでご相談ください!
空き家をリフォームすることで、マイホームとして住むことができるほか、賃貸や売却などの選択肢も広がります。しかし、空き家を放置しておくと、固定資産税が増加したり、倒壊のリスクが高まったりするなど、デメリットも増えてしまいます。リフォームによって、空き家を有効活用することが大切です。もっと詳しく知りたい方は、カシワバラ・コーポレーションまでお気軽にご相談ください。お客様に最適なプランをご提案いたします。
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