



「マンションの大規模修繕工事、費用が高くて大変そう……」
「大規模修繕工事に使える補助金や助成金はないかな?」
マンション大規模修繕工事を控えている管理組合の方の中には、費用の面でお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、大規模修繕工事の1戸あたりの費用相場は100万円以上です。高額な費用負担を軽減する一つの方法として、国や地方自治体が実施している補助金や助成金制度を活用しましょう。
本記事では、マンションの大規模修繕工事で利用できる国や地方自治体の補助金・助成金制度について、東京都や神奈川県の制度を例にわかりやすく解説します。なお、今回ご紹介するのはすべて2025年9月時点での情報です。実施有無や範囲、仕様、金額などの内容が年によって変わることもありますので、最新の情報は国や自治体のホームページを確認してください。
適切な制度を賢く活用することで、マンションの資産価値を高めながら、費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。ぜひ最後まで読んで、ご自身のマンションに合った補助金・助成金を探してみてください。
カシワバラ・コーポレーションが運営するWebマガジン「カシワバラさんの暮らし」では、大規模修繕に関する疑問やお悩みを解消するコンテンツを多数ご用意しています。初めての大規模修繕を迎える管理組合の方向けのガイドブックを、無料でダウンロードいただけます。

"大規模修繕"に役立つ資料をまとめました
また、おおまかな費用目安を知りたい方は、大規模修繕シミュレーターをご利用ください。以下のフォームより簡単な質問にお答えいただければ、豊富な施工実績と最新のデータをもとにAI分析した簡易見積もりレポートをお送りします。

大規模修繕の無料見積もりをご利用できます
大規模修繕費用の簡易見積はこちらマンションの大規模修繕工事で利用できる助成金・補助金とは

マンションの大規模修繕工事は、国や地方自治体から補助金や助成金を受けられる場合があります。これらの制度は、マンションの資産価値を維持・向上させ、住民の安全・安心な暮らしを確保することを目的としています。
いずれも、一定の条件を満たすことで支給され、返済義務がないことが多い点が特徴です。ただし、助成金は基本的に応募条件を満たして申請すれば受け取れるのに対し、補助金はあらかじめ枠数が決まっていて、申請しても受け取れない可能性があります。
国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」では、大規模修繕工事の費用目安は、一戸あたり100〜125万円と高額になることが示されています。これだけ高額な費用を捻出するには、利用できる補助金や助成金を積極的に活用して、管理組合や居住者の負担を少しでも軽減したいところです。
しかし、補助金や助成金の利用状況はまだ低いのが現状です。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、大規模修繕に関する費用の助成を受けたマンションはわずか8.3%でした。
また、約3分の1の管理組合が支援制度の詳細を理解できていないと回答しており、せっかく使える制度があっても、活用できていない可能性が高いことがわかります。
参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,P14
参照:国土交通省「令和5年度マンション総合調査」,P337
【国の制度】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金
国が実施している、マンションの大規模修繕工事で使える補助金・助成金は以下の通りです。
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
- 先進的窓リノベ2025事業
- 子育てエコホーム支援事業
- 子育て支援型共同住宅推進事業
これらの制度は、主に建物の省エネルギー化や耐震性向上、長期的な資産価値の維持を目的としています。各制度の要件や補助金額は年度によって変更される可能性があるため、申請前に必ず最新情報を確認してください。
1. 長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅を長期にわたり良好な状態で使用するためのリフォーム費用を支援する制度です。
対象 |
・インスペクション(建物状況調査)を実施し、性能向上のためのリフォーム工事を行う戸建て住宅、集合住宅 |
---|---|
概要 |
【評価基準型・提案型】 工事後に一定の住宅性能基準を満たすリフォーム工事の費用を支援 |
補助金額 |
【評価基準型・提案型】 |
参照:国土交通省「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」
2. 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、高性能建材を用いた断熱改修を行う費用を支援する制度です。建物の省エネ性能を高め、光熱費の削減にもつながります。
対象 | 補助対象製品を用いた断熱改修を行う住宅 |
---|---|
概要 |
【トータル断熱】 高性能建材(断熱材、窓、ガラス)を組み合わせて住居全体を改修する費用を支援 |
補助金額 |
・補助率:補助対象経費の1/3以内 |
参照:公益財団法人北海道環境財団「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」
3. 先進的窓リノベ2025事業
先進的窓リノベ2025事業は、窓のガラス交換や外窓交換、内窓設置など、窓の断熱性を高める工事の費用を支援する制度です。窓の断熱改修は、建物全体の省エネ性能向上に大きく貢献します。
対象 |
窓リノベ事業者と工事請負契約を締結して、窓のリフォーム工事を行う戸建て住宅、集合住宅 |
---|---|
概要 |
補助金額5万円以上の以下の工事の費用を支援 |
補助金額 |
・建物の建て方、対象製品の性能とサイズなどに応じて補助金額を決定 |
参照:環境省「先進的窓リノベ2025事業」
4. 子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、住宅の省エネ改修を行う費用を支援する制度です。子育て世帯以外でも、一定の要件を満たせば補助が受けられる可能性があります。
対象 | エコホーム支援事業者と工事請負契約を締結して、省エネ改修を行う戸建て住宅、集合住宅 |
---|---|
概要 |
①以下のリフォーム工事の費用を支援 |
補助金額 |
・工事内容に応じて補助金額を決定 |
参照:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」
5. 子育て支援型共同住宅推進事業
子育て支援型共同住宅推進事業は、子育て世帯が居住する賃貸マンション、分譲マンションの新築・改修を支援する制度です。
対象 | 2025年4月1日時点で小学生以下の子どもを養育している世帯が居住するマンション |
---|---|
概要 | 子どもの安全確保に役立つ設備(手すり、チャイルドロックなど)、 居住者の交流を促す施設(コミュニティスペース、プレイロットなど)の設置にかかる工事費用を支援 |
補助金額 |
・補助率:補助対象経費の2/3 |
参照:子育て支援型共同住宅サポートセンター「子育て改修型」
【地方自治体の制度】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金
地方自治体が実施している補助金・助成金は、地域の実情に応じた課題解決を目的としています。国が実施している制度よりも、さらに幅広い分野で制度が設けられているのが特徴です。
制度の種類 | 概要 |
---|---|
劣化診断 | マンションの劣化状態を専門家が診断する際の費用を補助 |
耐震診断・耐震改修 | 旧耐震基準で建設されたマンションの耐震診断や耐震補強工事の費用を補助 |
防災対策 | 防災備蓄倉庫の設置や防災訓練の費用などを補助 |
アスベスト除去 | アスベストの調査・分析、除去にかかる費用を補助 |
バリアフリー化 | 廊下や共用部への手すり設置、段差解消などの費用を補助 |
省エネルギー化 | 窓や外壁の断熱改修、高効率設備導入などの費用を補助 |
屋上・壁面緑化 | ヒートアイランド対策として、屋上や壁面の緑化にかかる費用を補助 |
利用できる制度やその内容は、自治体によって大きく異なります。まずは、ご自身のマンションがある自治体の公式サイトなどを確認して、利用できる制度を調べてみましょう。
以降では、東京、神奈川、千葉、大阪、福岡の制度を例に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
【東京都】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金
東京都で実施している、マンションの大規模修繕工事で使える補助金・助成金は以下の通りです。
- マンション改良工事助成制度
- 防音工事助成制度
- マンション耐震診断助成制度
- 既存住宅における省エネ改修促進事業
- 分譲マンション計画修繕調査支援制度(一部エリア)
- アスベスト対策費助成制度(一部エリア)
1. マンション改良工事助成制度
マンション改良工事助成制度は、分譲マンションの共用部分の改良工事費用を支援する制度です。建物の安全性を高め、居住環境を向上させることを目的としています。
対象 |
東京都内にある、耐火構造の分譲マンション |
---|---|
概要 | 外壁・屋上の修繕、給排水管の取り替え、エレベーターの更新、バリアフリー化などにかかる費用を支援 |
補助金額 |
・上限額:以下の中でいずれか低い額 |
助成金は、住宅金融支援機構の「マンション共有部分リフォーム融資」の利子補給という形で受け取ります。
「マンション共有部分リフォーム融資」は、耐震診断や長期修繕計画の作成のみを実施する場合も受けられます。計画書作成で融資を受ける場合も、助成金を受けられるので、自身のマンションが対象になるかを一度確認してみましょう。
また、2022年度から償還方法が「元利均等月賦償還」になりました。これは月々支払う、元金と利息が一定になる返済方法です。返済額が一定のため、計画が立てやすい利点がある一方、「元金均等返済」よりも借入金残高の減り方が遅く、総返済額が多くなる点には注意が必要です。
参照:東京都マンションポータルサイト「分譲マンションの修繕への助成(マンション改良工事助成制度)」
2. 防音工事助成制度
防音工事助成制度は、東京都が審査した防音工事費用を助成する制度です。
対象 |
東京都内にあり、以下の条件を両方満たす建物(マンションは住戸単位) |
---|---|
概要 |
居間、応接間、寝室、書斎、子供室、食堂の以下の工事費用を支援 |
補助金額 |
・東京都が審査した工事費用の3/4 |
参照:東京都建設局「防音工事助成」
3. マンション耐震診断助成制度
マンション耐震診断助成制度は、マンションの耐震診断や耐震補強工事を行う際に、費用の一部を助成する制度です。特に旧耐震基準(1981年以前)で建設されたマンションが主な対象となります。
助成の有無や内容は市区町村によって異なるため、各自治体窓口へ問い合わせが必要です。
参照:東京都マンションポータルサイト「マンション耐震化促進事業(助成制度等)」
4. 既存住宅における省エネ改修促進事業
既存住宅における省エネ改修促進事業は、既存住宅の断熱性向上を目的とした改修費用を助成する制度です。国の補助金制度と併用できる場合があるため、両方の制度をうまく活用すれば、費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。
対象 |
東京都内に住宅を所有する個人・法人、管理組合 |
---|---|
概要 |
高断熱窓、高断熱ドア、断熱材、高断熱浴槽などの設置工事費用を支援 |
補助金額 |
補助金額・上限ともに工事内容によって異なる |
参照:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター「(令和7年度)既存住宅における省エネ改修促進事業」
5. 分譲マンション計画修繕調査支援制度(一部エリア)
分譲マンション計画修繕調査支援制度は、大規模修繕を行うために管理組合が外部専門業者に調査を依頼した場合、調査費の一部を助成する制度です。制度の有無や内容は市区町村によって異なるため、各自治体窓口へ問い合わせが必要です。
たとえば墨田区では、以下のような支援制度を実施しています。
対象 |
建築後5年以上経過した、墨田区内分譲マンションの管理組合 |
---|---|
概要 |
マンションの共用部分について実施する調査費用を支援 |
補助金額 |
・調査に要した費用(税込)の1/3以内 |
参照:墨田区「分譲マンション計画修繕調査支援制度」
6. アスベスト対策費助成制度(一部エリア)
アスベスト対策費助成制度は、建物のアスベスト対策を行う際に、費用の一部を助成する制度です。制度の有無や内容は市区町村によって異なります。
たとえば港区では、以下のような支援制度を実施しています。
対象 |
港区内にある共同住宅の管理組合の代表者 |
---|---|
概要 |
アスベスト対策に要した費用を支援 |
補助金額 |
・調査に要した費用の2分の1相当額(1,000円未満の端数は切り捨て。消費税相当額は対象外) |
参照:東京都都市整備局「東京都内アスベスト補助制度一覧(調査・分析)」
参照:港区「アスベスト対策費助成のご案内」
【神奈川県】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金
神奈川県で実施している、マンションの大規模修繕工事で使える補助金・助成金は以下の通りです。
- 耐震改修補助(一部エリア)
- 神奈川県民間建築物吹付けアスベスト等補助事業費補助金(一部エリア)
- マンション長期修繕計画作成促進モデル事業(横浜市)
- 屋上・壁面緑化/生垣づくり助成(川崎市)
- マンションの共用部等のバリアフリー化補助(横浜市)
1. 耐震改修補助(一部エリア)
耐震改修補助は、耐震改修を実施する際の費用の一部を助成する制度です。横浜市や川崎市など、一部のエリアで実施されています。
マンションの場合は、3階以上かつ1,000㎡以上の建物が対象です。例として、3つのエリアの補助率と上限額は以下の通りです。
エリア | 補助率 | 上限額 |
---|---|---|
横浜市 |
・設計:2/3 |
・設計:(540万円+1,000円/㎡×延べ面積)×2/3 |
川崎市 |
・設計:2/3 |
・設計:5万円/戸 |
相模原市 |
・設計:2/3 |
・設計:5万円/戸 |
参照:神奈川県「耐震改修補助」
2. 神奈川県民間建築物吹付けアスベスト等補助事業費補助金(一部エリア)
神奈川県民間建築物吹付けアスベスト等補助事業費補助金は、アスベスト含有調査にかかる費用の一部を助成する制度です。逗子市、三浦市、伊勢原市などのエリアが対象となります。
対象 |
神奈川県対象エリア内にあり、これまでアスベスト含有調査を実施していない民間建築物で、以下いずれかの条件を満たす建物 |
---|---|
エリア | 逗子市、三浦市、伊勢原市、海老名市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町、愛川町、清川村 |
概要 | 吹付けアスベストの分析調査費用を補助 |
補助金額 |
・調査費用の全額 |
参照:神奈川県「アスベスト含有調査に対する補助制度」
3. マンション長期修繕計画作成促進モデル事業(横浜市)
マンション長期修繕計画作成促進モデル事業は、長期修繕計画がない、または15年以上見直していないマンションの修繕工事費用の一部を助成する制度です。「横浜市マンション登録制度」への登録が必要となります。
対象 | 横浜市内の分譲マンションで、長期修繕計画がない、または15年以上見直していない管理組合 |
---|---|
概要 | 長期修繕計画の作成、修繕積立金見直しにかかる専門家への委託費用を補助 |
補助金額 |
・委託費用の1/2以内 |
参照:横浜市「長期修繕計画がない、長年更新していないマンションへの補助金」
4. 屋上・壁面緑化/生垣づくり助成(川崎市)
屋上・壁面緑化/生垣づくり助成は、建物の屋上や壁面の緑化、生垣新設の際の費用の一部を助成する制度です。ヒートアイランド現象の緩和や景観向上を目的としています。
対象 | 川崎市内の建築物の所有者、管理組合など |
---|---|
概要 | 屋上・壁面の緑化工事、生垣の新設工事にかかる費用を助成 |
補助金額 |
・屋上緑化:対象経費の1/2・上限は緑化面積1㎡あたり1万円以内、総額100万円以内 |
照:川崎市「屋上・壁面緑化/生垣づくり助成」
5. マンションの共用部等のバリアフリー化補助(横浜市)
マンションの共用部等のバリアフリー化補助は、分譲マンションの共用部や敷地の段差解消、手すりの設置など、バリアフリー化工事の費用の一部を助成する制度です。「横浜市マンション登録制度」への登録が必要となります。
対象 | 横浜市内の分譲マンションの管理組合 |
---|---|
概要 | 階段・廊下の手すり設置、段差解消工事などにかかる費用を補助 |
補助金額 |
・補助対象経費の1/3以内 |
参照:横浜市「マンションの共用部等のバリアフリー化補助」
【千葉県】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金
千葉県で実施している、マンションの大規模修繕工事で使える補助金・助成金は以下の通りです。
- 分譲マンション耐震診断補助制度(一部エリア)
- マンション長期修繕計画作成支援制度(千葉市)
- 分譲集合住宅のエレベーター防災対策整備費補助金(浦安市)
1. 分譲マンション耐震診断補助制度(一部エリア)
分譲マンション耐震診断補助制度は、マンションの耐震診断や耐震補強工事を行う際に、費用の一部を助成する制度です。多くの場合、1981年以前の旧耐震基準で建設されたマンションが対象となります。
この制度の有無や内容は市区町村によって異なるため、各市区町村の窓口へ問い合わせが必要です。たとえば千葉市では、以下のような支援制度を実施しています。
対象 |
・1981年5月31日以前に着工されたもの |
---|---|
概要 |
耐震診断の予備診断・本診断の費用を補助 |
補助金額 |
・予備診断・本診断ともに2/3 |
参照:千葉県「県内の耐震関連補助制度一覧」
2. マンション長期修繕計画作成支援制度(千葉市)
マンション長期修繕計画作成支援制度は、千葉市内にある分譲マンションで、長期修繕計画や、修繕積立金などの収支計画の作成を専門家に委託する費用の一部を助成する制度です。
対象 |
・千葉市内の分譲マンション |
---|---|
概要 | 長期修繕計画、収支計画の作成にかかる委託費用を助成 |
補助金額 |
・補助対象経費の1/2以内 |
参照:千葉市「マンション長期修繕計画作成支援制度」
3. 分譲集合住宅のエレベーター防災対策整備費補助金(浦安市)
分譲集合住宅のエレベーター防災対策整備費補助金は、浦安市内にある分譲マンションで、規定のエレベーター防災対策装置を新設する際の費用の一部を助成する制度です。既設のエレベーターに設備を新設する場合が対象で、エレベーター自体の新設・増設工事は対象外です。
対象 | 浦安市内の分譲マンションの管理組合 |
---|---|
概要 | 規定のエレベーター防災対策装置の新設工事 |
補助金額 |
・補助対象経費の1/3以内 |
参照:浦安市「分譲集合住宅のエレベーター防災対策整備費補助金」
【大阪府】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金
大阪府で実施している、マンションの大規模修繕工事で使える補助金・助成金は以下の通りです。
- 民間マンションの耐震診断・改修補助制度(大阪市)
- 大阪市エレベーター防災対策改修補助事業(大阪市)
- 堺市住宅・建築物吹付けアスベスト対策事業補助金(堺市)
1.民間マンションの耐震診断・改修補助制度(大阪市)
民間マンションの耐震診断・改修補助制度は、大阪市内の民間マンションで耐震診断や改修工事を実施した際の費用を補助する制度です。
対象 | ・大阪市内にある民間所有の3階建て以上の非木造共同住宅 ・1981年5月31日以前に建築確認を受けて建築され、検査済証の交付を受けたもの ・設計内容について、「耐震改修設計」「耐震改修工事」など事前に公的機関の評価・判定を受けていること |
---|---|
概要 | 耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事の費用を補助 |
補助金額 | ・耐震診断:2/3 ・上限200万円 /棟 ・耐震改修設計:2/3 ・上限300万円 /棟 ・耐震改修工事:23%・上限3,000万円/棟 |
参照:大阪市「民間マンションの耐震診断・改修補助制度」
2.大阪市エレベーター防災対策改修補助事業(大阪市)
大阪市エレベーター防災対策改修補助事業は、共同住宅内のエレベーターの改修工事費用を補助する制度です。
対象 | ・2014年3月31日以前に建てられた建物に設置されているもの ・延べ面積の合計が1,000㎡以上の共同住宅に設置されているもの ・長期修繕計画または維持保全計画が作成され、かつエレベーターを修繕項目として設定している建物に設置されているもの ・構造躯体が地震に対して安全な構造の建物に設置されているもの |
---|---|
概要 | 防災対策を目的とした工事の費用を補助 |
補助金額 |
・工事費用の23% |
参照:大阪市「大阪市エレベーター防災対策改修補助事業について」
3.堺市住宅・建築物吹付けアスベスト対策事業補助金(堺市)
堺市住宅・建築物吹付けアスベスト対策事業補助金は、アスベスト含有調査や除去にかかる費用の一部を補助する制度です。
対象 | 堺市内の民間建築物 |
---|---|
概要 | アスベスト含有調査や除去作業にかかる費用を補助 |
補助金額 |
・分析調査:補助対象経費以内の金額・上限25万円/棟 |
参照:堺市「堺市住宅・建築物吹付けアスベスト対策事業補助金交付要綱」
【福岡県】マンション大規模修繕工事で使える補助金・助成金

福岡県で実施している、マンションの大規模修繕工事で使える補助金・助成金は以下の通りです。
- マンション再生検討等促進事業補助金(再生検討・長期修繕計画作成等)(福岡市)
- 福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業(福岡市)
1.マンション再生検討等促進事業補助金(再生検討・長期修繕計画作成等)(福岡市)
マンション再生検討等促進事業補助金は、老朽化したマンションの改修や建て替えを支援する制度です。
対象 | 福岡市内にある、築40年以上のマンション |
---|---|
概要 |
以下にかかる費用を補助 |
補助金額 |
・経費の1/2 |
参照:福岡市「マンション再生検討等促進事業補助金(再生検討・長期修繕計画作成等)」
2.福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業(福岡市)
福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業は、住宅用エネルギーシステムの設置を支援する制度です。
対象 | 福岡市内の住宅 |
---|---|
概要 |
住宅用太陽光発電システムや家庭用燃料電池の導入にかかる費用を補助 |
補助金額 |
補助金額・上限ともに導入システムによって異なる |
参照:福岡市「令和7年度 福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業」
マンション大規模修繕の補助金・助成金以外の支援制度

- マンション管理アドバイザー制度
- マンション建替え・改修アドバイザー制度
専門家によるアドバイスは、適切な計画策定や工事の品質確保に役立ちます。
1.マンション管理アドバイザー制度
マンション管理アドバイザー制度は、管理組合の適切な運営やマンション管理をサポートする制度です。マンション管理の専門家であるマンション管理士が支援を行います。
対象 | 管理組合 区分所有者の任意団体(管理組合がない場合) 区分所有者 賃貸マンションの所有者 |
---|---|
内容 |
・Aコース(講座編):マンション管理のポイント、管理委託のやり方、修繕工事の進め方についてなど |
参照:東京都マンションポータルサイト「マンション管理アドバイザー制度」
2.マンション建替え・改修アドバイザー制度
マンション建替え・改修アドバイザー制度は、専門的な知識を持つアドバイザーから、建替えや改修をスムーズに進めていくための支援が受けられる制度です。
対象 | 管理組合 区分所有者の任意団体(管理組合がない場合) 区分所有者(Aコースのみ) 賃貸マンションの所有者 |
---|---|
内容 |
・Aコース(入門編):建替えと改修どちらを行うか検討するにあたって必要な法律、税制、公的な支援などについて、全般的なアドバイスが受けられる |
参照:東京都マンションポータルサイト「マンション建替え・改修アドバイザー制度」
マンション大規模修繕工事の補助金や助成金を利用する際の注意点
マンション大規模修繕工事の補助金や助成金を利用する際の注意点は、以下の通りです。
- 要件を細かく確認する
- 受付終了になる前に早めに申請する
- 他の補助金や助成金と併用可能かを確認する
これらを事前に確認しておくことで、補助金の申請から受け取りまでがスムーズに進みます。
要件を細かく確認する
申請前には、補助金・助成金の要件をしっかり確認しておきましょう。要件を満たしていなければ、当然ながら補助金・助成金は交付されません。
具体的には、以下の点に注意して確認しましょう。
- 対象となる工事内容
- 対象となる工事箇所
- 対象となる工事業者
また、多くの補助金・助成金は、工事の着工前に申請しなければなりません。申請時期や、申請後に着工できる時期を事前に確認しておくことが大切です。
受付終了になる前に早めに申請する
補助金・助成金の申請期限を確認し、受付終了になる前に申請を行いましょう。
補助金・助成金の多くは、予算が決まっています。予算の枠が埋まり次第、受付が終了となるため、早めの申請が必須です。
特に人気の高い補助金は、受付開始後すぐに予算上限に達してしまうことも珍しくありません。こまめに情報を確認し、受付開始前からスケジュールを立てて、早めに準備を進めておくようにしましょう。
他の補助金や助成金と併用可能かを確認する
他の補助金・助成金と併用可能かも、事前に確認しておきたいポイントです。
国と地方自治体など、複数の補助金や助成金を併用できる場合があります。複数の制度を組み合わせることで、費用負担をさらに軽減できる可能性があります。
しかし、同じ補助金で、過去に受給実績があると再度受給できなかったり、一定期間をあけないと申請できなかったりするものもあります。申請前には、必ず過去の受給実績についても確認しておきましょう。
マンション大規模修繕工事は補助金や助成金を賢く活用しよう
マンションの大規模修繕工事は、建物の資産価値を維持し、居住者の安全・安心な暮らしを守るために不可欠です。しかし、高額な費用負担が大きな課題となることも少なくありません。
そのため、国や地方自治体は、修繕工事を支援するためのさまざまな補助金・助成金制度を設けています。これらの制度を賢く活用することで、費用負担を大きく軽減できる可能性があります。
ぜひ、ご自身のマンションに合った補助金・助成金制度がないか、自治体の公式サイトなどを確認してみてください。
カシワバラ・コーポレーションが運営するWebマガジン「カシワバラさんの暮らし」では、大規模修繕に関する疑問やお悩みを解消するコンテンツを多数ご用意しています。初めての大規模修繕を迎える管理組合の方向けのガイドブックを、無料でダウンロードいただけます。

"大規模修繕"に役立つ資料をまとめました
また、大規模修繕工事のおおまかな費用目安を知りたい方は、カシワバラ・コーポレーションならではの豊富な施工実績と最新のデータにもとづいた大規模修繕シミュレーターをご利用ください。以下のフォームより簡単な質問にお答えいただければ、AI分析した簡易見積もりレポートをお送りします。

大規模修繕の無料見積もりをご利用できます
大規模修繕費用の簡易見積はこちら