大規模修繕工事の費用の目安は?不足金の集め方や適正費用で依頼する方法も紹介

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      「マンションの大規模修繕ではどのくらい工事費用がかかるの?」
      「マンションの修繕積立金が不足したら、どうしたらいい?」

      大規模修繕を控えている分譲マンションの管理組合や修繕委員会の方の中には、上記のような疑問をお持ちの方もいるでしょう。

      マンションの大規模修繕でかかる費用は、マンションの規模や工事の回数によっても異なりますが、一戸あたり平均100万円前後です。

      また、修繕積立金が不足した場合には、工事内容の見直しや補助金・助成金の利用検討、場合によっては一時金の徴収や金融機関から借り入れを行わなければなりません。

      今回は、大規模修繕で発生する費用の相場と、修繕積立金の目安を紹介します。修繕積立金が不足したときの対処法や、大規模修繕を適正金額で依頼する方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

      おおまかな費用目安を知りたい方は、以下の大規模修繕シミュレーターをご利用ください。フォームより簡単な質問にお答えいただければ、豊富な施工実績と最新のデータをもとにした簡易見積もりレポートをお送りします。

      また、大規模修繕費用の妥当性を判断するためには、大規模修繕に関する基礎知識を知っておくことが大切です。

      以下のガイドブックでは、初めて大規模修繕を迎える管理組合の方向けに、大規模修繕の進め方や業者の選定方法などの基本情報をまとめています。無料でダウンロードいただけるので、ぜひご活用ください。

      大規模修繕費用の相場目安

      国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」をもとに、大規模修繕費用の相場目安をまとめました。

      • 1戸あたりの単価相場
      • 床面積1平米あたりの費用相場
      • 規模ごとの費用相場

      項目ごとに詳しく見ていきましょう。

      なお、費用に共通仮設費(※)と消費税相当額は含まれていません。

      ※工事そのものに直接は関係ないものの、共通して必要になる費用

      1戸あたりの単価相場

      国土交通省の調査によると、大規模修繕における1戸あたりの単価相場は、100~125万円です。工事費用ごとの割合は、以下のグラフの通りです。

      img-graph1

      100~175万円のケースが69.1%と、全体の約7割を占めていることがわかります。

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p14

      床面積1平米あたりの費用相場

      国土交通省の調査によると、大規模修繕における床面積1平米あたりの費用相場は、1~1.5万円です。床面積ごとの工事費用の割合は、以下のグラフの通りです。

      img-graph2

      また、工事回数ごとの中央値と平均値は、以下の表の通りです。

      工事回数 中央値(/㎡) 平均値(/㎡)
      1回目 1.1万円 1.3万円
      2回目 1.3万円 1.5万円
      3回目 1.2万円 1.9万円

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p15

      規模ごとの費用相場

      国土交通省の調査によると、マンションの規模ごとの大規模修繕の費用相場は、以下の通りです。

      戸数 費用相場
      20戸以下 1,000万円~
      21戸~50戸 3,000万円~
      51戸~100戸 4,000万円~
      101戸~200戸 1億円~
      201戸以上 2億5,000万円~

      共用設備の修繕費用や足場の設置費用などは戸数で割って負担できるので、マンションの規模が大きくなるほど、1戸あたりの金額は安くなる傾向にあります。

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p34~40

      自分のマンションのおおまかな大規模修繕費用を確認したい方は、カシワバラ・コーポレーションの大規模修繕シミュレーターをご活用ください。簡単な質問にお答えいただければ、これまでの施工実績と最新データから算出した簡易見積もりレポートをお送りします。

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      大規模修繕工事2回目以降の費用相場

      大規模修繕の2回目以降の費用相場は、以下の通りです。

      工事回数 費用相場/戸
      2回目 75~125万円
      3回目以降 75~100万円

      大規模修繕の費用相場は工事回数によって異なり、回を重ねるごとに安くなっていく傾向にあります。

      それぞれ詳しく見ていきましょう。

      1戸あたりの2回目工事の費用相場 

      国土交通省の調査によると、1戸あたりの2回目工事の費用相場は75~125万円です。工事費用ごとの割合は、以下のグラフの通りです。

      img-graph3

      また、中央値と平均値は、以下の表の通りです。

      工事回数 中央値(/戸) 平均値(/戸)
      2回目 106.1万円 112.4万円

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p14

      1戸あたりの3回目以降工事の費用相場 

      国土交通省の調査によると、1戸あたりの3回目以降工事の費用相場は75~100万円です。工事費用ごとの割合は、以下のグラフの通りです。

      img-graph4

      また、中央値と平均値は、以下の表の通りです。

      工事回数 中央値(/戸) 平均値(/戸)
      3回目以降 97万円 106.1万円

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p14

      大規模修繕工事費用の内訳と相場目安

      大規模修繕工事費用の内訳と相場目安を紹介します。

      • 建物調査
      • 仮設工事
      • 塗装工事
      • 防水工事
      • 外壁タイル工事
      • シーリング工事
      • 設備系工事
      • その他

      国土交通省の「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」で工事費用の具体的な割合が公表されている工事の中から、割合が高いものをピックアップしました。

      それぞれ詳しく確認していきましょう。

      1.建物調査

      建物調査の費用相場はマンションの規模によって幅があり、約20~100万円です。

      建物調査とは、修繕が必要な箇所を把握し、概算費用を算出するための事前調査のことです。修繕積立金の概算を算出するのにも用いられます。

      建物調査は、専門のコンサルティング会社や修繕を実施する施工会社などに依頼するのが一般的です。結果は修繕箇所ごとに5段階評価されることが多く、修繕計画の見直しや優先順位の検討に役立ちます。

      大規模修繕に欠かせない建物診断についての詳細はこちら

      2.仮設工事

      仮設工事の費用相場は、大規模修繕の総工事費用の約22.8%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、仮設工事費用は22.8~28.5万円/戸が目安となります。

      仮設工事とは、工事をスムーズに進めるための設備・施設を設置する工事です。大きく共通仮設工事と直接仮設工事の2つに分かれます。

      • 共通仮設工事:工事作業員用の事務所や休憩室、仮設トイレなどを設置する
      • 直接仮設工事:足場や防護柵、ネットなどを設置する

      仮設工事の費用の大部分が、足場工事にかかる費用です。

      大規模修繕の足場工事についての詳細はこちら

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p49

      3.塗装工事

      塗装工事の費用相場は、大規模修繕の総工事費用の約19.3%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、塗装工事費用は19.3~24.1万円/戸が目安となります。

      塗装工事とは、外壁や鉄部などの塗装を行う工事です。

      塗装工事の費用には、使用する塗料の種類やグレードが大きく影響します。塗料の種類別の費用目安は以下の通りです。

      塗料の種類 費用相場(/㎡)
      アクリル塗料 1,000~2,000円
      ウレタン塗料 1,500~2,500円
      シリコン塗料 2,000~3,500円
      フッ素塗料 3,000~5,000円
      無機塗料 3,500~5,000円
      光触媒塗料 4,000~5,000円

      大規模修繕の塗装工事についての詳細はこちら

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p49

      4.防水工事

      防水工事の費用相場は、大規模修繕の総工事費用の約19.3%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、防水工事費用は19.3~24.1万円/戸が目安となります。

      防水工事とは、屋上やバルコニーの床から建物内に雨水が侵入しないように、劣化した防水層を塗装し直す工事です。

      工法は密着工法と絶縁工法(通気緩衝工法)の2つに分かれ、さらに使用する素材によって5種類に分類されます。

      名称 概要 使用する素材
      密着工法 防水層を屋上やバルコニーの床などの下地に密着させる工法

      ・ウレタン

      ・塩ビシート

      ・ゴムシート

      ・アスファルト

      ・FRP

      絶縁工法(通気緩衝工法 防水層を屋上やバルコニーの床などの下地に密着させず、通気層がある状態で導入する工法

      工法によって費用は異なり、4,000~8,500円/㎡が目安です。

      大規模修繕の防水工事についての詳細はこちら

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p49

      5.外壁タイル工事

      外壁タイル工事の費用相場は、大規模修繕の総工事費用の約7.8%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、外壁タイル工事費用は7.8~9.8万円/戸が目安となります。

      外壁タイル工事とは、外壁の劣化したタイルを補修する工事です。

      実際に建物の全面に足場を組んでみないと正確な金額がわからないため、追加費用がかかる可能性がある点に注意が必要です。過去には、数億円規模の追加費用が発生した事例もあります。

      外壁タイルの修繕を行う場合には、追加費用の発生に備えて、予備費を組んでおくと安心です。

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p49

      6.シーリング工事

      シーリング工事の費用相場は、大規模修繕の総工事費用の約7.3%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、シーリング工事費用は7.3~9.1万円/戸が目安となります。

      シーリング工事とは、外壁や窓サッシに使用されているシーリング材を補修する工事です。

      比較的劣化が少ない場合には、既存のシーリング材の上から新たにシーリング材をかぶせる打ち増しを行います。一方劣化が激しい場合には、既存のシーリング材をすべてはがして、新たにシーリング材を打ち込む打ち替えを行うのが一般的です。

      それぞれの費用目安は以下の通りです。

      工法 費用相場(/m)
      打ち増し 250~900円
      打ち替え 300~1,200円

      大規模修繕のシーリング工事についての詳細はこちら

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p49

      7.設備系工事

      設備系工事の費用相場は、大規模修繕の総工事費用の約1.6%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、設備系工事費用は1.6~2万円/戸が目安となります。

      設備系工事には、以下のような工事が含まれます。

      • 給水設備
      • 排水設備
      • ガス設備
      • 空調・換気設備
      • 電灯設備
      • 情報・通信設備
      • 消防用設備
      • 昇降機設備
      • 駐車場設備 など

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p12,49

      8.その他

      その他にかかる諸経費の相場は、大規模修繕の総工事費用の約10.3%です。総工事費用100~125万円/戸とすると、諸経費は10.3~12.9万円/戸が目安となります。

      諸経費とは、現場管理費、大規模修繕瑕疵保険の保険料などです。外部コンサルに依頼すると、さらに総工事費用の5~10%が上乗せされます。

      さらに、前述した以外でも以下の工事で費用がかかります。

      • 外構
      • 付属施設
      • 建具・金物
      • 共用内部 など

      参照:国土交通省「令和3年度マンション大規模修繕工事に関する実態調査」,p12,49

      大規模修繕に備えた修繕積立金の目安金額

      大規模修繕に備えた修繕積立金の目安金額は、以下の表の通りです。

      地上階数/建築延床面積 修繕積立金の月額平均(/㎡)
      20階未満 5,000㎡未満 335円
      5,000㎡以上~10,000㎡未満 252円
      10,000㎡以上~20,000㎡未満 271円
      20,000㎡以上 255円
      20階以上 338円

      たとえば地上10階建てで専有面積が80㎡、建築延床面積が5,000㎡のマンションの場合、修繕積立金の計算式は以下の通りです。

      252円×80㎡=20,160円/月

      大規模修繕の費用は、基本的には毎月区分所有者から「修繕積立金」を納めてもらうことで用意します。新築時に作成する「長期修繕計画」をもとに修繕費用を概算し、各戸が納める修繕積立金の額を算出するのが一般的です。

      マンションの修繕積立金についての詳細はこちら

      参照:国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン

      大規模修繕費用が不足し払えないときの4つの対処法

      大規模修繕費用が不足していて払えないときには、以下の4つの対処法があります。

      • 工事内容の優先順位を見直す
      • 自治体の大規模修繕補助金・助成金を利用する
      • 区分所有者から一時金を徴収する
      • 金融機関から借り入れを行う

      想定外の修繕が発生した、資材が高騰しているなどで、大規模修繕費用が不足することは十分にありえます。

      いざというときに慌てないよう、対処法を知っておきましょう。

      1.工事内容の優先順位や施工方法を見直す

      まずは、優先して修繕すべき箇所をピックアップして、緊急性が低い箇所の修繕工事は延期を検討しましょう。

      基本的には、安全で快適な暮らしに直結するポイントの工事を優先するようにします。

      • 防水工事
      • 給水・排水設備
      • 足場が必要になる工事(外壁タイルや下地の補修)

      優先順位は自己判断が難しいため、建物調査の結果をもとに、専門家にアドバイスをもらうのがおすすめです。

      また、他の施工方法に変更することで費用を抑えられないか、施工方法の見直しを行うのも有効です。

      たとえば、前述した通り足場工事は総工事費の約2割と高額なため、以下のような無足場工法が採用できないか確認するとよいでしょう。

      • ロープアクセス工法
      • ブランコ工法
      • ゴンドラ工法 など

      大規模修繕の優先順位や施工方法を見直す際には、大規模修繕に関する基本的な知識が不可欠です。

      以下のガイドブックでは、初めて大規模修繕を迎える管理組合の方向けに、知っておきたい基礎知識をまとめています。大規模修繕の業者選定方法やよくあるトラブル事例と対処法など、スムーズに大規模修繕を進めるために重要なポイントを確認する際に、ぜひお役立てください。

      2.自治体の大規模修繕補助金・助成金を利用する

      自治体によって、大規模修繕に関する補助金・助成金を利用できる可能性があります。

      たとえば、東京都には以下の補助金・助成金制度があります。

      制度 概要
      マンション改良工事助成制度 融資を受けてマンション共用部分の修繕・改修工事を実施した場合に、融資額の利子を補給
      分譲マンション計画修繕調査支援制度
      ※墨田区・中央区など
      分譲マンションで大規模修繕を行うために、管理組合が外部専門業者に調査を依頼した場合に、調査費の一部を助成
      マンション耐震診断助成制度 マンションの耐震診断や耐震補強工事を行う際に、費用の一部を助成
      アスベスト対策費助成制度
      ※千代田区・港区・新宿区など
      吹付材のアスベスト含有量率調査、アスベスト含有吹付材の除去工事などを行う際の費用の一部を助成

      対象となる補助金・助成金制度があるか、マンション所在地の都道府県・市区町村の制度と条件を調べてみましょう

      地方公共団体の補助制度はこちら

      大規模修繕で利用できる補助金・助成金の詳細はこちら
      参照:東京都「令和6年度マンション改良⼯事助成のご案内
      参照:墨田区「分譲マンション計画修繕調査支援制度
      参照:東京都マンションポータルサイト「マンション耐震化促進事業(助成制度等)
      参照:東京都都市整備局「東京都内アスベスト補助制度一覧(除去等工事)

      3.区分所有者から一時金を徴収する

      計画を見直したり、補助金・助成金の利用を検討したりしても修繕金が足りない場合、居住者から一時金を徴収するのも1つの方法です。

      ただ、一時金を徴収する場合には、総会での承認が必要となります。各世帯によって考え方や経済状況は異なるため、マンションの戸数が多いほど合意形成は難しくなるでしょう。

      さらに、支払いを滞納する世帯が出てくる可能性がある点も留意しておかなければいけません。

      4.金融機関から借り入れを行う

      それでも修繕金が不足している場合、以下のような金融機関から借り入れを行う方法もあります。

      • 住宅金融支援機構
      • 銀行
      • ローン会社
      • リース会社 など

      こちらも総会で承認が必要となります。

      一時金の徴収よりは管理組合で合意を得やすく、また早急に費用を用意できる点がメリットです。

      ただし、利息が発生するため、総支払額が高くなる点は大きなデメリットです。返済のために、修繕積立金を増額する必要も出てきます。

      借り入れには以下のような条件があるため、詳細をよく確認して検討しましょう。

      • 修繕積立金が1年以上積み立てられている
      • 滞納の割合が10%以内である
      • 管理者が当該マンションの区分所有者から選任されている など

      参照:住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資

      大規模修繕を適正費用で依頼する3つの方法

      大規模修繕を適正費用で依頼するには、以下の3つの方法があります。

      • 相見積もりを取って比較検討する
      • 管理会社やコンサルタント会社任せにせず、管理組合が主体的に関わる
      • アフターサービスを活用する

      それぞれ詳しく確認していきましょう。

      1.相見積もりを取って比較検討する

      複数の施工会社から見積もりを取って比較することで、相場がわかり、適正費用で依頼ができます。

      見積もりを取る業者の数は、5~10社程度が理想的です。管理会社が推薦した会社だけでなく、建築業界紙で公募を行うなどして、幅広い業者を比較検討しましょう。

      見積もりを取る際には、施工方法・施工範囲など同一条件を設定するのがポイントです。さらに、共通仕様の見積もり書に記載してもらうと、比較しやすくなります。

      カシワバラ・コーポレーションで大規模修繕を行う場合の費用目安を知りたい方は、以下の大規模修繕シミュレーターをご活用ください。豊富な施工実績と最新のデータをもとにした簡易見積もりレポートをお送りします。

      大規模修繕の見積もりについて詳細はこちら

      2.管理会社やコンサルタント会社任せにせず、管理組合が主体的に関わる

      大規模修繕を管理会社やコンサルタント会社任せにせず、管理組合が主体的に関わり妥当性を判断することで、コストを抑えられる可能性があります。

      管理会社やコンサルタント会社にすべてを任せるのは楽ですが、常に居住者のメリットを最優先で考えているとは限りません。施工会社を十分に比較していなかったり、優先度の低い工事が含まれていたりと、コストが余計に高くなってしまう恐れがあります。会社によっては、紹介料も発生するでしょう。

      さらに、談合やバックマージンが発生するケースもあります。

      <談合やバックマージンの例>

      • 施工会社同士が内密に話し合いをして、割高な工事金額や過剰な工事内容などを示し合わせていた
      • 受注の報酬として、施工会社が管理会社やコンサルティング会社に裏で金銭を支払っていた

      このような場合、一見するとコンサルタント費用は格安に思えても、結果的に全体の工事費は割高になってしまうことがあるのです。

      3.アフターサービスを活用する

      修繕が必要な箇所や状態によっては、管理会社のアフターサービスを利用できる場合があるため、上手に活用しましょう。

      管理会社のアフターサービスは、多くの場合は2年で期限が切れますが、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、以下は10年までアフターサービスが受けられるように定められています。

      • 構造耐力上主要な部分:基礎、基礎ぐい、壁、床版、屋根版
      • 雨水の浸入を防止する部分:屋根、外壁、開口部、排水管

      修繕対象箇所の一部でもアフターサービスが受けられれば、コストカットに繋がります。築10年までのマンションで気になる箇所があれば、保証が受けられるかを確認しましょう。

      参照:e-GOV 法令検索「住宅の品質確保の促進等に関する法律 第九十五条
      参照:国土交通省「住宅の品質確保の促進等に関する法律の概要

      大規模修繕の費用相場は1戸あたり100~125万円!管理組合主導で施工会社を選ぼう

      大規模修繕の費用は、国土交通省の調査によると1戸あたり100~125万円が目安です。マンションの規模や床面積、工事の回数などによっても変わってくるので、複数業者から相見積もりを取って比較するのがおすすめです。

      万が一修繕積立金が不足する場合は、優先順位が低い一部工事の延期だけでなく、補助金・助成金の利用や、一時金の徴収も検討しましょう。

      適正価格で大規模修繕を依頼するためには、管理組合やコンサルティング会社任せにせず、管理組合主導で施工会社を選定し、計画を進めていくことが重要です。

      カシワバラ・コーポレーションでは、大規模修繕のおおまかな費用目安がわかるシミュレーターを公開しております。フォームより簡単な質問にお答えいただければ、豊富な施工実績と最新のデータをもとにした簡易見積もりレポートをお送りしますので、ぜひご利用ください。

      また、大規模修繕の費用について検討する際には、大規模修繕の基礎知識をしっかり押さえておく必要があります。以下のガイドブックでは大規模修繕の進め方や業者の選定方法などの情報をわかりやすくまとめています。ダウンロードして、大規模修繕に関するお悩みや疑問の解消にお役立てください。

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