住まいの害虫問題に頭を悩ませている人は少なくないでしょう。害虫はマンションの低層階だけでなく、上層階でも発生する可能性があるため、どの階に住んでいる人も、対策方法を知っておくことが大切です。
本記事では、害虫が上層階まで侵入する理由から、住戸・共用部でできる種類別の予防策、駆除費用の目安を解説していきます。
マンションで害虫が出にくい階数とは
マンションで害虫が出にくくなるのは、一般的に4階以上といわれています。
蚊やハエなどの飛翔性の虫が自力で到達しやすい高さは10m程度、マンションでは3階相当までとされており、1〜3階は植栽、水場、ゴミ置き場などの虫が集まりやすい場所に近いため虫が出やすくなります。
一方で、階数が上がるほど地面から物理的に離れるため虫が侵入する可能性は低くなりますが、上層階なら必ず虫が出ないわけではないのです。
人や荷物、宅配段ボール、排水管、換気口など予想外の経路で虫が室内に入り込む場合も多く、4階以上の住戸に住んだからといって安心できないのが実際のところです。
低層階の場合でも、網戸や玄関の隙間をふさぐ、生ゴミや水たまりを放置しない、共用部の清掃状態を確認するなどの対策を徹底すれば、発生リスクを抑えられます。
マンションの上層階でも害虫が出る3つの理由
高層階の住戸でも害虫が発生する原因は大きく3つです。
1つ目の理由は人や物に付いて持ち込まれる。2つ目は、住戸の気密性が高くても害虫が侵入できる隙間がある。3つ目は、室内と共用部が虫を引き寄せる環境になっているといった場合です。
【理由1】人や物に付いて持ち込まれる
害虫は帰宅する人や住戸に持ち込まれる物に付着して浸入します。衣類や持ち物だけでなく、宅配の段ボール、買い物袋など何気なく住戸に持ち込んでいる物に付着する場合もあるため、注意が必要です。
持ち込まれやすい害虫としては、ゴキブリや近年被害が話題になっているトコジラミなどがあげられます。
ゴキブリは段ボールを餌・隠れ家にする習性があるため、成体に加えて卵鞘までもが自宅に持ち込まれ、繁殖する恐れがあります。
トコジラミは宿泊施設のような年中一定の気温に保たれている環境を好んで生息するため、外出先でバッグや衣類に付着して自宅に持ち込まれてしまうケースが多くなっています。
また、カメムシのように飛行能力が高い虫は風に乗って高層階のベランダまで飛来し洗濯物に止まります。カメムシに気がつかずに洗濯物を取り込むと、室内に浸入されてしまうのです。
このようにうっかり虫を自宅に迎え入れてしまう事態を防ぐには、段ボールの定期的な処分、外出後の衣類や荷物、取り込む前の洗濯物をよく確認するなどの習慣が大切です。
【理由2】気密性が高くても害虫が侵入できる隙間がある
気密性の高い鉄筋コンクリート造でも、害虫はわずかな隙間を見つけて侵入します。
蚊・小バエ・アリなどの小さい虫は、網戸の目のような1mm程度の隙間でも通り抜けられるため、屋外から配管を引き入れる貫通部分や扉や窓などの建具周りにできたわずかな隙間でも浸入経路になり得ます。
さらに、築年数が重なると建具の立て付けが悪くなって隙間が広がったり、シーリングが劣化して気密性が低まったりと、害虫の侵入リスクは高まっていく傾向があるのです。
【理由3】室内や共用部の環境が害虫を引き寄せる
室内や共用部の環境が害虫を呼び寄せる誘導源にならないよう、環境整備を続けるのも大切です。
例えば生ゴミの処理が甘いと害虫は臭いをたどって食べ物を探しに来てしまいます。また、排水口の清掃を怠ってヌメリが発生すると、繁殖に最適な多湿の環境となるため害虫が増えやすくなるでしょう。
室内だけで無く、マンション共用部にも注意が必要です。例えば、共用部のゴミ置き場の管理が甘いと害虫が集まりやすくなります。
また、植栽や雨水排水設備に落ち葉などのゴミが詰まって雨水が滞留すると害虫の発生源になります。
基本的に害虫は地面や自然が近い低層階に住み着きやすいですが、バルコニーのある物件では1階から2階3階へと登っていくのが自然な動きです。
バルコニー以外に専用庭のある1階住戸の場合は目隠し用のグリーンカーテンにも害虫が住み着いていると考えるのが自然です。
一度共用部に害虫が住み着いてしまうと各戸に被害が広がるのは避けられません。害虫が発生しそうな箇所が共用部にあれば、管理組合で対策を行いましょう。
マンションに害虫が侵入する3つの経路

害虫が各住戸に浸入する経路は大きく3種類に分けられます。
1つ目は玄関や窓などの開口部、2つ目は排水トラップの封水がなくなった排水口、3つ目は換気口・ドレンホース・配管スペースなどによる壁の隙間です。
【経路1】玄関や窓などの開口部
最もありがちな浸入経路は、玄関や窓、網戸など普段から開け閉めのある開口部と周辺の隙間です。
出入りの際の開閉時間は短くとも、羽があり飛ぶ虫はその一瞬で屋内に入り込みます。
また、本来虫の侵入を防ぐように設置されている網戸ですが、製品によって目の細かさが異なる点には注意が必要です。編み目が粗い場合、小バエなど小型の虫は難なく侵入してしまいます。
網戸は強い力が加わると比較的簡単に破れますし、軽量な枠組みの場合はゆがみやすく隙間もできます。日々の換気など、窓を開ける際に網戸の状態をまめに点検しましょう。小さな穴なら、自力での修復も選択肢の一つです。
【経路2】排水口・排水トラップの封水切れ
排水トラップとは、排水口から流れてきた水が一時的に溜まる仕組みを指します。
例えばシンクや洗面所下を見てみると、排水口から延びる配管が真っ直ぐではなく、S字のように曲がっている場合があります。
曲がった箇所は排水トラップと呼ばれ、臭いの発生や害虫の浸入を防ぐために、蓋の役割をする水を管内に溜める仕組みです。
蓋代わりの水は封水もしくはたまり水と呼ばれ、無くなると害虫が排水管を登って侵入してきます。
長期間水を流さなかったり、夏に屋内が高温になったりすると封水は蒸発して無くなってしまい、排水管が害虫の侵入経路になるのです。
また、マンション各戸の排水管は縦管と呼ばれる太い管でつながっています。そのため、各住戸の排水管や縦管などの共用配管の状態が自室の排水管にも影響する点に注意しましょう。
排水管を経由した害虫の侵入リスクを下げるには、専有部・共用部両方の排水管について適切な管理を行う必要があります。
【経路3】換気口・ドレンホース・配管スペース
換気口・換気扇・エアコンのドレンホースなど、外気を取り入れるための仕組みは、壁を貫通する作りになっています。
空気の入れ換えを助ける換気口は屋外と直結しているため、フィルター等が適切に設置されていなければ害虫の侵入経路になります。
換気口のフィルターに破損がある場合や目が粗い場合は、虫を防ぐのに特化したフィルターに交換しましょう。
エアコンで発生した結露水を室外へ排水するホースをドレンホースというのですが、ホース内は暗く湿った環境で屋外と直結しているため、虫が浸入しやすくなっています。
また、貫通部のパテや充填材が劣化している、未施工で隙間が適切に埋められていないといった場合は、大きな侵入経路になるので注意しましょう。
各住戸でできる害虫の予防策

住戸では、各侵入経路をふさぐ形で害虫の発生を予防できます。
具体的には、定期的な通水で封水切れを防ぐ、補修で隙間や換気口をふさぐ、生ゴミと湿気を減らす、防虫・駆除グッズを使い分けるといった方法があげられます。
定期的な通水で封水切れを防ぐ
日常的に使わないシンクの排水口にも定期的に水を流す習慣を付けましょう。封水の蒸発を防ぎ、害虫の侵入を阻止できます。
封水が無くなると、排水管自体が害虫の浸入経路になってしまいます。また、排水管内の悪臭が上がってきたりと生活トラブルの原因にもなります。
水を流しているのに悪臭が上がってくる場合は、排水トラップ自体が故障している、排水管のどこかに異常があるといった原因が考えられます。
封水切れの予防は蛇口をひねって水を流すだけなので、長期間自宅を留守にする際は害虫・悪臭対策も兼ねて必ず行うようにすると安心です。
隙間や換気口に防虫ネットなどを設置する
室内への害虫の侵入を抑えるには、開口部や設備まわりを細かく点検するのが重要です。
ドア下にはドアスイーパーを取り付け、配管貫通部のすき間はパテで埋めます。換気口やエアコンのドレンホースには、防虫ネットや専用キャップを取り付けると、小さな虫の侵入防止に役立ちます。
ただし、換気口を完全にふさいでしまうのは避けましょう。キッチンなどの換気扇を使った際、室内の空気圧が変わり、排水トラップ側から空気を引き込んで異臭が上がる場合があるためです。換気口には通気を妨げにくい防虫ネットを選ぶのがおすすめです。
また、サッシのゆがみやシーリング切れなど、建材自体に劣化がある場合、市販グッズだけでは十分に予防ができず、建物側の補修・改修が根本的な解決になります。
できる範囲で対策をしても害虫が繰り返し出るときは、管理組合や管理会社への相談も検討しましょう。
生ゴミと湿気を減らす
害虫を寄せ付けにくい住まいにするには、餌・臭い・湿気を減らす意識が欠かせません。
生ゴミは水気を切って密閉できる容器や袋に入れ、ゴミの日まで臭いが広がらないように管理を徹底しましょう。排水口や三角コーナーに残った汚れやヌメリは、コバエなどを誘うだけでなく繁殖場所にもなるため、定期的な洗浄が必要です。
また、多くの害虫は高温多湿の環境で活動しやすくなるため、除湿機や換気扇を使い、浴室・洗面所・シンク下に湿気をこもらせない対策も有効です。
シンク下は物を詰め込みすぎず、空気が流れる余地を残しておくと、カビや害虫の発生を抑えやすくなります。さらに、段ボールは虫の隠れ場所や産卵場所になる場合があるため、室内に溜め込まず早めに処分しましょう。
こうした環境改善は、浸入経路を塞ぐ対策と組み合わせると、より安定した効果が期待できます。
防虫・駆除グッズを使い分ける
害虫対策グッズは、虫の種類や発生場所に合わせた選択が大切です。
見つけた虫にすぐ対処したい場合はスプレー、ゴキブリのように隠れた場所で活動する虫には毒餌、コバエなどの飛ぶ虫には捕獲器や粘着シートが向いています。
住戸全体をまとめて処理したいときは燻煙剤も選択肢になりますが、家具や荷物が少ない入居前、家具搬入前のタイミングのほうが使いやすいでしょう。
火災報知器が反応しないようカバーをかける、使用前後に十分換気する、煙や臭いで近隣に誤解を与えないよう配慮するなど、事前準備が必要な点には注意しましょう。
また、小さな子どもやペットがいる家庭では、毒餌の誤飲や薬剤への接触リスクも考えなければなりません。設置場所や成分、使用条件を確認し、安全に扱える製品を選びましょう。
害虫の種類別の対策
特に困りごとが多い害虫の発生・侵入をより効果的に防ぐために種類別の対策方法を把握しましょう。
ゴキブリ、蚊、羽アリ、シロアリ、コバエ、カメムシの順に各害虫に合わせた方法を紹介します。
ゴキブリ対策
ゴキブリは繁殖力が強く、特に気温が高まる6〜8月に活動が活発になるとされるため、見かけるまえに予防を始めるのが重要です。
まずは、配管まわりや建具のすき間を点検し、パテやすき間テープなどでふさいでおきましょう。あわせて、生ゴミを長時間置いたままにせず、シンクや排水口まわりの汚れを落として水気を切るようにしてください。
段ボールは餌場や隠れ場所になりやすいため室内に溜め込むのは避けて、開封後は早めに処分するのが基本です。
実際に出没した場合は殺虫剤で必ず駆除しましょう。また、冷蔵庫裏や棚の下などに粘着シートを置いて捕獲するのも有効な手段です。
通り道になりやすい壁際や暗い物陰には毒餌を設置し、巣に戻る個体まで含めて減らす対策を行うとよいでしょう。
蚊対策
蚊を増やさないためには、産卵場所になる小さな水たまりを排除しましょう。
植木鉢の受け皿、バケツ、空き容器などに雨水が溜まっていると蚊の発生につながるためこまめに水を捨てる習慣が大切です。
ベランダの排水口も落ち葉や土ぼこりが詰まると水はけが悪くなり、虫が発生しやすい環境になります。
定期的にゴミを取り除き、雨のあとも水が残っていないか確認しておくと安心です。
また、雨水枡がある場合は防虫ネットを張って蚊が入り込んだり産卵したりしにくい状態にしておくのも有効な予防策です。
水を溜めない管理と虫よけなどの活用で、蚊に悩まされにくい住環境に近づけられます。
羽アリ・シロアリ対策
羽アリが室内や共用部で大量に発生するのは、シロアリの巣が作られている可能性があるため注意が必要です。
羽アリは、クロアリもしくはシロアリの巣作りを担当する繁殖個体です。
クロアリは見た目の不快感や室内に侵入する煩わしさはありますが、基本的に建物の木材を食害する虫ではありません。
一方シロアリは木部を食い荒らし家屋にダメージを与えます。発生しているのがシロアリだった場合、周辺に巣があると考えられ急ぎの対応が必要になるため、羽アリの発見時はまず種類を見分ける必要があるのです。
シロアリは触角がじゅず状で、4枚の羽がほぼ同じ大きさ、胴のくびれが目立ちにくいのが特徴です。一方、クロアリは触角がL字型で、前のはねが大きく、胴のくびれがはっきりしています。羽アリの発見時は外見をよく観察し、種類を特定しましょう。
マンションはRC造であっても一部に木材が使われているため、シロアリ被害には注意が必要です。
外周の通気口まわりに物を置かず風通しを良くしておきましょう。段ボールや不要な木材の放置も厳禁です。また、雨漏りや浴室タイルのひび割れは木部の湿気につながるため、早めに補修しましょう。
羽アリを見つけた際は、家庭用の掃除機で吸い取って数を減らします。ただし、殺虫剤での巣の処理は被害箇所の確認が難しくなる場合があるので、管理会社や専門機関に点検を相談しましょう。
コバエ対策
コバエを防ぐには、発生源になりやすい臭い・ぬめり・湿気を残さない環境整備が大切です。
生ゴミは水気を切ってから密閉し、袋やフタ付きのゴミ箱で管理したうえで、できるだけ早めに処分しましょう。
キッチンの排水口や三角コーナー、ゴミ箱まわりに汚れが残っているとコバエなどが集まりやすくなるため、清潔な状態を保つ必要があります。
また、観葉植物を置いている場合は受け皿に溜まる水に注意が必要です。加えて、土が過湿にならないよう水やりの量や頻度を調整しましょう。すでに室内を飛び回っている場合は粘着性のハエ取りリボンやシート、光で罠に誘う捕虫機を設置します。
油断すると発生する小バエには発生源の除去と捕獲をあわせて行う対策が効果的です。小バエの増殖を抑える工夫を日々続けていきましょう。
カメムシ対策
カメムシは飛行能力が高く、風に乗ってベランダや共用廊下まで飛来します。
洗濯物や布団に付着したまま室内へ入り込む事態を防ぐため、取り込む前に表裏を確認する習慣をつけましょう。
秋口は越冬場所を探して温かい建物に近づきやすく、室内の明かりに引き寄せられる性質があるため特に注意が必要です。夕方以降は窓を開ける時間を短くし、室内の光でカメムシを誘わないようカーテン等を活用しましょう。
また、網戸の破れやサッシのずれといった窓まわりの小さな隙間も侵入口になり得るため、補修テープや隙間テープでふさいでおくのも有効です。
室内に入った個体は潰すと強い臭いを放つため、刺激を与えないよう紙やテープで包んで外へ出すとよいでしょう。
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管理組合で進める共用部の害虫対策

共用部の付近で害虫が発生した場合は、まず管理規約や使用細則を確認し、専有部と共用部のどちらで対応すべき範囲かを切り分けます。
そのうえで、発生場所や虫の種類、被害の広がりを整理し、必要に応じて管理会社や専門業者に調査を依頼しましょう。
ゴミ置き場、植栽、排水設備、外廊下などに発生源がある場合は、清掃だけでなく、定期駆除契約や薬剤散布も検討します。
さらに、配管まわりの不具合や建具の隙間、排水不良などが原因であれば、補修や設備改善による根本対策が必要です。
再発を防ぐには、住民にゴミ出しルールやベランダ管理、虫を見つけた際の連絡方法を周知し、マンション全体での対応が大切です。
責任範囲の確認
共用部で害虫が発生した場合、最初に確認したいのは誰が対応すべき範囲なのかという点です。
一般的には室内や専用バルコニーなどの専有部は居住者、エントランス・共用廊下・ゴミ置き場・植栽まわりなどの共用部は管理組合や管理会社が対応するのが基本です。
専有部については、居住者が注意をもって管理する善管注意義務を負うとされるため、生ゴミの放置や清掃不足などが原因であれば、居住者側の対応が求められる場合もあります。
一方で、配管や外壁、共用設備の不具合が関係している場合は、建物全体の管理にかかわる問題として扱う必要があります。
ただし、責任範囲や費用負担は管理規約や使用細則、特約によって異なるため、判断に迷うときは自管理組合の規約を確認しましょう。
発生原因の切り分けと調査依頼
専有部で虫が見つかった場合でも、原因が室内にあるとは限りません。
集合住宅では、各住戸が縦管や排水系統でつながっているため、共用配管の劣化、封水切れ、排水トラップや貫通部の施工不良などがあると、複数の住戸に同じような被害が出る場合があります。
そのため、発生場所だけで判断せず、同じ階や上下階で似た相談が出ていないかを確認しましょう。
発生日、虫の種類、出た場所、水回りの使用状況、清掃や補修の履歴を記録し、管理会社や専門業者に共有すると原因を絞り込みやすくなります。
記録を残しておけば、専有部対応か管理側対応か、費用負担を判断する材料になり、再発防止策も検討しやすくなるのです。
専門業者との定期駆除契約
専門業者と害虫の定期駆除契約を結ぶ際は、どこを対象に何回点検・駆除するのかを具体的に決めます。
目の前の虫を減らす単発駆除も選択肢の1つですが、発生期に合わせて点検や薬剤散布を定期的に行う定期駆除契約を結んだほうが快適な住環境を維持しやすくなります。
業者選びの際はまずマンション共用部での駆除実績があるかを確認しましょう。住戸が集まる建物では住民やペットへの影響にも配慮が必要なため、使用薬剤の種類や安全性の説明ができる業者を選びましょう。
また、防除作業監督者など関連資格の有無や、薬剤だけに頼らず、清掃・点検・侵入経路の改善を組み合わせるIPM(総合的有害生物管理)という考え方に対応しているかも判断材料になります。
契約前には理事会で方針を共有し、複数社の見積もりを比較して進めましょう。
補修や配管改善による根本対策
薬剤散布や清掃を行っても害虫の発生が続く場合は、建物側に侵入経路や発生源が残っている可能性があります。
駆除では問題が解決しない場合は、配管の貫通部のすき間、シーリングや防水層の劣化、排水設備の不具合などの根本原因に目を向けましょう。
管理会社や専門業者に点検を依頼し、必要に応じて貫通部の補修、シーリングの打ち替え、防水工事、配管更新などを検討します。
こうした工事は害虫被害のたびに行うよりも、大規模修繕や計画的な改修に組み込むのがコスト効率の良いやり方です。
マンションの修繕積立金の状態や、点検結果などを踏まえて判断しましょう。
住民周知・注意喚起による再発防止
共用部の駆除後は発生原因や実施した対策、今後の注意点を住民に周知しましょう。
ゴミ置き場や排水設備、植栽まわりを管理組合側で整えても、各戸のゴミ出しルールが守られなかったり、ベランダに水や不要物が残されたりすると害虫が再び集まってしまいます。
掲示板や配布文を使い、発生しやすい時期、見つけた場合の連絡先、専有部で協力してほしい清掃・保管方法を具体的に伝え、区分所有者の管理意識を高めましょう。
周知と記録の共有をマメに行っておけば、害虫の苦情に対応する際も原因を理解して貰いやすくなります。
区分所有者が害虫対策の方針を理解していれば、次回の業者依頼や予算判断にも役立つため、正確な情報の共有が大切です。
害虫駆除にかかる費用の目安

害虫の駆除費用は、虫の種類、被害の広がり、作業内容、施工範囲によって大きく変わります。
住戸の平米数で自動的に料金が決まるわけではないため、業者に相談して駆除料金を把握するのが確実です。
例えばゴキブリ駆除は50㎡を基準に基本料金が設定され、面積が1㎡増えるごとに加算される料金例があったり、おおまかな平米数ごとに料金目安を記載している業者もあります。
費用の目安としては、条件によって異なりますがゴキブリは30,000円前後、シロアリは100,000~150,000円、トコジラミは90,000~260,000円がそれぞれ想定されます。
シロアリのように床下・木部など駆除範囲が広くなりがちな害虫の場合は、薬剤の使用量や要求される技術の高さが増えるため特に料金が高くなる傾向があるなど、留意点が異なります。具体額は現地調査後の見積もりで確認しましょう。
マンションの害虫対策は住戸と共用部の両面で進めよう
マンションは上層階でも人や荷物への付着や、建物のわずかなすき間を見つけて害虫が侵入・繁殖します。
各住戸では排水口の封水切れを防ぐ通水、すき間の補修、生ゴミや湿気の管理、防虫・駆除グッズの使い分けなどの対策を侵入経路に合わせて行いましょう。
害虫ごとに発生源や発生しやすい時期が異なるため、それぞれに対処が必要です。
共用部での害虫発生時は管理組合が責任範囲を確認し、定期駆除契約、補修、住民周知まで順を追って進める適切な運営管理が望まれます。
害虫の駆除や発生予防を業者に依頼する場合、費用は害虫の種類や駆除範囲で変わるため見積もりで確認しましょう。
共用部の害虫発生が続く場合、排水管や配管まわりの劣化・隙間が原因になっていることがあります。原因調査から配管改善・修繕工事まで、カシワバラ・コーポレーションにご相談ください。