住宅ローンの繰上返済、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の特徴と選び方

    「ボーナスが入ったから、住宅ローンを少しまとめて返しておこう」——そう思って金融機関のサイトを開くと、「期間短縮型」と「返済額軽減型」、どちらにするかの選択を求められます。

    同じ100万円を入れても、どちらを選ぶかで利息の減り方も、その後の家計の余裕も変わってくるのが、繰上返済の重要なポイントです。

    この記事では、2つのタイプの仕組みと利息軽減効果の差を、具体的な試算の数字を並べながら比べてみます。

    期間短縮型・返済額軽減型それぞれの仕組み

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    タイプ

    変わるもの

    変わらないもの

    期間短縮型

    残りの返済期間が短くなる

    毎月の返済額は変わらない

    返済額軽減型

    毎月の返済額が下がる

    残りの返済期間は変わらない

     

    どちらも、繰上返済した分だけ元金が減るという点は同じです。違うのは、その効果を「期間の短縮」で受け取るか、「月々の負担軽減」で受け取るかという点になります。

    【試算の前提について】

    以下の試算は、借入残高3,000万円・残存期間25年・金利2.0%(全期間固定と仮定)の条件で、100万円を繰上返済した場合の一例です。実際の軽減効果は、借入残高・残存期間・金利タイプ・繰上返済のタイミングによって異なります。正確な数値は、ご利用の金融機関のシミュレーションでご確認ください。

    利息軽減効果の違い(試算例)

    期間短縮型の場合

    毎月の返済額(約12.7万円)は変えずに100万円を繰上返済すると、残りの返済期間が約13ヶ月短縮され、総利息の軽減額は約63万円という試算になります。

    返済額軽減型の場合

    残りの返済期間(25年)は変えずに100万円を繰上返済すると、毎月の返済額が約4,200円軽減され、総利息の軽減額は約27万円という試算になります。

    同じ100万円でも、軽減効果には差が出る

    この試算例では、期間短縮型の方が返済額軽減型より総利息の軽減額が約36万円多くなる結果になりました。一般的に、同じ繰上返済額であれば、期間短縮型の方が利息軽減効果は大きくなる傾向があります。

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    ライフステージ別、どちらが向くか

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    子育て中で、教育費のピークがこれから来る場合

    教育費の負担が今後増えることが見込まれる場合は、毎月の返済額を下げられる「返済額軽減型」で、家計の余裕を確保する考え方があります。利息軽減効果は期間短縮型より小さくなりますが、月々のキャッシュフローに直接効いてくるのが特徴です。

    定年退職が近づいている場合

    定年退職までに完済を目指したい場合は、返済期間そのものを縮められる「期間短縮型」が向いています。退職後の年金生活に住宅ローンの返済を持ち越さずに済む点が大きなメリットです。

    収入が安定していて、当面の家計に余裕がある場合

    月々の返済額に余裕があり、総支払額をできるだけ抑えたい場合は、利息軽減効果の大きい「期間短縮型」を選ぶ方が合理的なケースが多くなります。

    一部繰上返済のタイミング戦略

    ボーナス時期にまとめて行う

    ボーナスが入るタイミングで繰上返済をまとめて行うのは、多くの方が実践している方法です。ただし、生活防衛費(生活費の3〜6ヶ月分程度)を確保した上で、余裕資金の範囲で行うようにしましょう。

    金利変動時に見直す

    変動金利で借りている場合、金利が上昇局面に入ったタイミングで、繰上返済のペースを見直すという考え方もあります。金利が上がる前に元金を減らしておくことで、その後の利息負担を抑えやすくなります。

    返済初期ほど効果が大きい

    元利均等返済の場合、返済初期は利息の割合が大きいため、同じ金額を繰上返済するなら、できるだけ早いタイミングで行う方が利息軽減効果は大きくなる傾向があります。

    繰上返済の手数料と最低金額ルールについて

    見落としがちなのが手数料と最低返済額のルールです。インターネットバンキングからの一部繰上返済なら無料という金融機関が多い一方で、窓口での手続きには手数料がかかったり、金融機関や商品(フラット35など)によって「〇〇万円以上から」といった最低金額の制限が設けられていたりする場合があります。金額も条件も金融機関ごとに異なりますので、繰上返済を思い立ったら、まず自分の借入先の条件を確かめておくと無駄がありません。

    カシワバラ・アシスト 担当者の声

    hanabusa

    花房 拡(カシワバラ・アシスト 第1営業部兼銀行代理事業室 主任)
    宅地建物取引士・貸金業務取扱主任者
    2024年カシワバラ・アシスト入社/前職含め住宅ローン実務多数

    「『繰上返済はとにかく早く・多く行った方がいい』と思われがちですが、前職の不動産会社で数百件のお引き渡しに立ち会ってきた経験から言うと、教育費や住み替えの予定など、これから必要になる資金とのバランスを見ながら決めるべきだと考えています。期間短縮型・返済額軽減型のどちらが今のご家庭に合うか、具体的な数字で一緒にシミュレーションしています。」

    よくある質問(FAQ)

    Q. 繰上返済をすると、住宅ローン控除の金額は減ってしまいますか?

    A. はい、減る可能性があります。住宅ローン控除は「年末のローン残高」をベースに計算されるため、繰上返済によって残高が減ると、戻ってくる税金(控除額)も少なくなります。特に「期間短縮型」で返済期間が10年未満になってしまうと、控除の対象外になってしまうケースもあるため、控除期間中の繰上返済は慎重にシミュレーションすることをおすすめします。

    繰上返済は「金額」だけでなく「タイプの選び方」も重要

    繰上返済の効果を左右するのは、入れる金額だけではありません。総支払額を抑えたいのか、それとも月々の家計に余裕を持たせたいのか——同じ100万円でも、「期間短縮型」と「返済額軽減型」のどちらを選ぶかで受け取る効果が変わってきます。

    迷ったら、実際の借入条件でシミュレーションをかけ、数字を見比べてから決めても遅くはありません。

    住宅ローンの専門機関であるカシワバラ・アシストでは、お客様の借入条件に応じた繰上返済シミュレーションのご相談にも対応しております。「どちらのタイプが自分に合っているか知りたい」という段階から、お気軽にご相談ください。

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     監修者プロフィール

    hanabusa

    花房 拡 カシワバラ・アシスト 第1営業部兼銀行代理事業室 主任

    【保有資格】
    宅地建物取引士・貸金業務取扱主任者

    【経歴】
    不動産会社の管理部門にて、年間200〜300件に及ぶ住宅ローンの申込から引き渡しまでの実務を牽引したのち、2024年にカシワバラ・アシストへ入社。不動産取引の現場とローン審査の両面を知り尽くした知見を強みに、現在は【フラット35】と【ドコモSMTBネット銀行】の両商品を同時に取り扱う数少ないエキスパートとして、お客様への最適なローン提案から不動産事業者向けの勉強会講師まで幅広く活躍中。

    【読者へのメッセージ】

    繰上返済は、単に回数や金額を増やせば有利になるというものではありません。手元資金とのバランス、これから必要になるお金、そして期間短縮型か返済額軽減型かの選び方まで含めて、現場で見てきた実例を踏まえながらご家庭に合った繰上返済のペースを一緒に考えます。

     
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