プロ目線で収納を考える!“賢く仕舞う”家づくりのポイント

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      沖縄県を中心に、価値の上がる住まいづくりのコーディネイトをしているフィーカデザインです。今回は、いくつかの収納スペースのリノベーション事例をご紹介し、皆さんの家づくりのヒントになればと思います。

      株式会社フィーカデザインは、沖縄県を中心に、ファッションからインテリアに至るまで、ひとりひとりのライフスタイルや将来設計に寄り添い、生活の質が上がるコーディネイトを提案しています。ファッションの分野で培ったカラーリングや柄などの組み合わせバランスをインテリアにも活かし、生活動線・家事動線に適した収納や家具の配置など、デザインやスタイルだけでなく、長年住み続けても、愛着が湧く住まいづくりをご提案しています。
      新しい住まいづくりを考えるきっかけはそれぞれですが、今の家が手狭になった(または広くなった)、家族構成に変化が訪れ、住まいにも荷物の量に応じた変化を求めるようになった…というケースも少なくはありません。普段暮らしている中で、なんとなく見過ごしてしまっていた「収納」から、家づくりを考えると、今まで無意識のうちに見過ごしていた住みづらさを解決できるかもしれません。
      それでは早速いくつかの事例をご紹介します。

      浴室周りの収納を見直して家事動線をスムーズに

      左は、前回の記事でご紹介した木造住宅の浴室ですが、浴室を出た洗面所のスペースに、洗濯機、洗面台の他、家族分の下着やタオル類を収納できる薄型シェルフ(既製品)を設置しています。
      右は、扉付きではありませんが、スチールタイプのシェルフを設置したもの。こちらも既製品ですが、さまざまなスペースに合わせて自由にアレンジできます。
      ここに収納スペースを設けることで、汚れ物を回収し、洗濯。浴室乾燥で乾かしたあと収納するまでの一連の流れを同じスペースで作業が可能となり、無駄のない動線に繋がります。

      リビングには、スッキリとした印象の無駄のない収納スペースを

      こちらはリビングに設置されたテレビボード収納例。
      造作家具で設置された無駄のない壁一面の収納スペースは、収納量をぐっと増やしてくれます。
      普段あまり取り出すことはないけれど、家族が一緒にいる時に見返したい思い出のアルバムなどは、上の方へ。オーディオ機器やそれにまつわる細々としたものや、子どもたちのおもちゃなどは手の届きやすい場所に。
      そしてお掃除ロボットの定位置を右下に備え、扉を開閉しなくても自動で居場所に戻れるよう、扉下部分に少しゆとりを持たせています。
      リビングは、家族団欒やお客様をお招きする人が集まる場所。カラートーンが統一されることで、すっきりとした印象になります。

      集中力を高めるリモートワークスペースの収納

      最近のリフォームや新築では、自宅にリモートワークスペースを設けたいという方も増えています。
      こちらの事例では、これまでスチールラックで整理していた書類や備品などを、スッキリ整理できるよう、棚と机、プリンター収納スペースをオリジナルで造作しました。プリンターは使用時に引き出して使えるほか、その下の棚には、ルーターやコンセント類などを格納できるスペースに。
      ごちゃごちゃしてしまいがちな物を隠し、必要なものをさっと取り出しやすくしたワークスペースは、どこに何が置いてあるのか、わかりやすいだけでなく、視界から余計なものが外れることで集中力も増して、仕事もはかどります。

      収納は増やすだけでなく減らすという考え方も

      リノベーションでは収納スペースを増やすことだけを考えるのではなく、住む人の人数、身荷物の多さに合わせて考えていくことが大切です。多すぎる収納は、かえって物を増やしすぎてしまう原因になるほか、どこに何がしまってあるのか分からなくなってしまうことも。
      住まう方のライフスタイルに合わせて、必要な収納スペースを考えていくのもコーディネイターの役割です。
      見せたくないものは隠し、側に置いておきたい大切なものは目の留まるところへ。
      こちらは、不必要になった押入れの収納スペースを撤去し部屋の広さを確保した一例。
      畳をフローリングに変更しリビングへつながる大きなスペースを設けました。
      壁面は、人と集うのが好きだった故人を偲び、写真やお花を飾るスペースに。
      家族がいつでも故人と寄り添える空間へと生まれ変わりました。

      住まう人のライフスタイルに合わせた収納の考え方

      新築・リノベーションでは、必要な場所に必要な分の収納があることが理想ですが、まずは、自分の持ち物の量を把握することから始めてみましょう。
      意外にも、自分では気づいていない重複した持ち物や、使わないでいるけれど、もったいなくて捨てられないものなどの多さに気づくかもしれません。

      物が多すぎると、物の定位置が決められず「とりあえず…」で置いた場所が、そのうちに定位置になり、最初に感じた使いづらさが次第に無意識になっていくことも。

      そうした無意識なストレスを軽減させるためにも、自分の持ち物を把握し、必要なもの、必要でないものをきちんと整理した上で、収納スペースを考えていくことが大切です。

      出来るだけ空間を無駄にしないようにはしたいけれど、大雑把収納が理想。
      きれいに決めすぎると、かえって続かなかったり、取りづらかったりと、ストレスの原因になることも。
      生活用品や調味料の収納では、
      ・重たい物は下に、上にいくほど軽い物を収納
      ・ざっくり分類して収納する
      ということがポイントになります。

      そして小分けに分類した箱には蓋をしないということも大切。
      見えることでどれどけストックがあるか確認でき、無駄な買い物をしないようになります。
       

      家をつくると決めたなら、積極的にコーディネイターに相談してみよう

      家づくりは建てるまでも大変ですが、実際に建ててから住宅ローンの返済も含め、長く家と付き合っていくものです。のちに後悔しない満足度の高い家を作るために、コーディネイターに相談することから始めても良いかもしれません。
      施工会社やハウスメーカーなど、家づくりを行う業者にも、それぞれ得意分野があるもの。どんな家づくりをしたいか…によって、相性の合う施工業者を紹介してもらえるというメリットもあります。
      さらに、それぞれの家庭によって違う持ち物の量に応じて、必要な収納スペース、そしてその配置まで考えてもらえるのも大きなメリットです。
      家族全員が長く住み良い家づくりを実現するために、まずはコーディネイターに相談してみることをお薦めします。

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