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マンション大規模修繕の業者選定方法は?選定基準も解説

「マンションの大規模修繕の業者選定は、具体的にどうしたらいい?」
「大規模修繕の業者選定に基準はあるの?」

初めての大規模修繕を迎える分譲マンションの管理組合や修繕委員会の方の中には、上記のような疑問や悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

マンションの大規模修繕を適正価格でスムーズに進めるためには、信頼できる業者選びが重要なポイントです。しかし残念なことに、中には談合やバックマージンなどの不誠実な行為を行う業者もいるのが現実です。

談合については、2025年3月から公正取引委員会による施工会社などへの立ち入り調査が行われており、状況改善に向けての動きが活発化しています。

今回は、大規模修繕の業者選定の方法や選定基準について解説します。これから大規模修繕の業者選定を行う予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

以下のガイドブックでも、大規模修繕の業者選定のメリットやデメリットをわかりやすくまとめています。よくあるトラブル事例やその対処法についても紹介しているので、安心してスムーズに大規模修繕を進めていくために役立ちます。

また、業者選定にあたって大規模修繕の費用目安を知りたい方は、カシワバラ・コーポレーションの大規模修繕シミュレーターをご利用ください。豊富な施工実績から導き出した簡易見積もりレポートで、おおまかな費用感を確認いただけます。

マンション大規模修繕工事の依頼方法

大規模修繕 業者選定2

マンション大規模修繕工事の主な依頼方法は、以下の4つです。

  • ・設計監理方式
  • ・管理会社施工方式
  • ・CM方式(コンストラクション・マネージメント方式)
  • ・責任施工方式

施工業者を選ぶ前に、まずは依賴方法を決めておく必要があります。管理組合だけで業者選定をするのはかなり手間がかかるので、業者選定などの意思決定をする際にサポートしてくれる専門家を決めることから始めましょう。

▶大規模修繕の概要について詳しくはこちら

設計監理方式

設計監理方式とは、実際の工事は施工業者が行い、工事の設計や監理は設計事務所が行う方法です。

設計事務所が管理組合の目線で工事を監理するため、適切な工事が行われているかチェックできる点が大きなメリットです。

一方、工事費と別に設計事務所に支払う分のコストがかかる点がデメリットといえます。

また、談合が行われるリスクがある点に留意が必要です。

マンション大規模修繕の談合については以前より問題視されていましたが、近年さらに注目が集まっています。2025年3月から4月にかけて、マンション大規模修繕の施工会社約30社に対して、公正取引委員会が立ち入り調査を行いました。

さらに別途、特定の設計コンサルタント会社にも資料提供を求めており、談合の実態解明に向けて調査を進めている段階です。

▶大規模修繕の談合について詳しくはこちら

管理会社施工方式

管理会社施工方式は、管理会社が施工業者選定から工事の監理までを一括で行う方法です。

管理会社にすべてを任せられるため、管理組合の負担を軽減できます。また、施工に不具合があった場合のアフターサポートも管理会社が窓口となるため、スムーズに対応してもらえるでしょう。

ただし、施工業者間での競争原理が働かないため、費用が割高になりやすい点に注意が必要です。さらに管理会社に支払う費用もかかることを留意しておきましょう。

CM方式(コンストラクション・マネージメント方式)

CM方式(コンストラクション・マネージメント方式)は、専門的知識を有するCMr(コンストラクション・マネージャー)が工事監理を行う方法です。

設計事務所と施工会社の両方を、第三者視点で厳しくチェックしてもらえるため、安心して大規模修繕に臨めるでしょう。CMrが全体の統括を行うため、各工程をスムーズに進められます。

一方で、工事全体がCMrの力量に大きく左右されるため、場合によっては不満に思うことが出てくるかもしれません。また、CMrに支払う費用が必要なので、コストもかかります。

▶大規模修繕のCM方式について詳しくはこちら

責任施工方式

責任施工方式は、設計から施工まで1つの会社が一貫して対応する方法です。

すべての工程を一社が担当するため、コストが削減できる点が魅力です。また、窓口が1つなので、やりとりの工数が少なくて済みます。

ただし、すべてを信頼して任せられる業者の選定はなかなか難しいものです。とくに初めて大規模修繕を行う管理組合にとっては、ハードルが高いでしょう。

さらに監理の透明性に欠ける場合があることにも注意が必要です。

▶大規模修繕の発注方式の比較はこちら

マンション大規模修繕の業者選定方法

大規模修繕 業者選定3

大規模修繕の業者の選定方法は、以下の3つです。

  • ・見積合わせ方式
  • ・入札方式
  • ・特命随意契約方式

依頼方法が決まったら、次は施工業者の選定を行います。それぞれの特徴を見ていきましょう。

見積合わせ方式

見積合わせ方式は、複数の施工業者から見積もりを取り、金額や内容を比較検討する方法です。

競争原理が働くため、安い金額で依頼できる可能性があります。また、同一条件で見積りを取れば公正に比較検討できるため、管理組合での承認を得やすいでしょう。

デメリットは、複数の施工業者とのやりとりや見積書の検討に、工数や時間がかかる点です。

カシワバラ・コーポレーションの大規模修繕の費用目安を知りたい方は、大規模修繕シミュレーターをご利用ください。簡単な質問にご回答いただければ、7,000件の施工実績とAIの解析データを活用して算出した簡易見積もりレポートをお送りします。費用相場の確認にも役立ちます。

▶大規模修繕工事の見積りについて詳細はこちら

入札方式

入札方式では、施工業者を公募もしくは指名して競争入札を行います。

入札方法は大きく分けて以下の2種類があります。

  • ・一般競争入札:施工業者を広く公募する
  • ・指名競争入札:特定の施工業者を指名する

比較的透明性が高く、公平に選考できる方法です。いずれも原則、最低金額の業者と契約するため、安い金額で依頼できます。

ただし、金額面にフォーカスした選定方式のため、業者の品質やサービスが劣る可能性があります。

特命随意契約方式

特命随意契約方式は、信頼関係のある特定の施工業者を指定し、直接契約する方法です。

複数の施工業者から選ぶ工数や時間がかからず、品質やサービスの面でも安心感があります。

一方で、競争原理が働かないため、金額が適正かが判断しにくく、コストが割高になってしまう恐れもあります。

選考過程の透明性や公平性に欠ける点もデメリットです。

マンション大規模修繕の業者選定基準

大規模修繕 業者選定4

大規模修繕の業者選定の基準は以下の通りです。

  • ・見積もりだけでなく提案も受ける
  • ・経営状態が良好である
  • ・保証やアフターサービスが充実している
  • ・現場監督者の人柄が良く信頼できる
  • ・大規模修繕工事業者の団体に加入している
  • ・大規模修繕工事の施工実績が豊富にある

一つずつ確認していきましょう。

見積もりだけでなく提案も受ける

業者選定の際には、費用の見積もりだけでなく、提案も受けましょう。提案を比較することで、各社の特徴が浮き彫りになり、自分のマンションに合った業者を選定しやすくなります。

防水や塗装など業者ごとに強みが異なるので、優先したいポイントを踏まえて検討していきます。プレゼンテーション時の担当者の対応も見ておくとよいでしょう。

なお、カシワバラ・コーポレーションでは、区分所有者様の立場に立って、積極的に提案を実施。区分所有者様向けの工事用掲示板「サポトシオ」や工事説明会でのコミュニケーションに注力しています。工事説明会は、一定期間Webでも閲覧可能です。

経営状態が良好である

経営状態が良好で、数十年後も存続可能な会社かをチェックしましょう。大規模修繕は1回の工事で終わりではないため、今後も継続して依頼できるかは重要なポイントです。

珍しいケースではありますが、依賴した業者が修繕工事中に倒産してしまう可能性があります。実際に、物価高や資材高騰の影響を受けて建設業の倒産は増加傾向にあり、2024年には過去最多の1,890件を記録しました。

業者の経営状態は、ホームページで資本金や沿革などの基本情報をチェックすることから始めましょう。別途企業信用調査会社を利用すれば、詳細な業績や資産状況も確認できます。

その他、経審(経営事項審査)の結果も評価基準になります。経審の結果は、CIIC(一般社団法人 建設業情報管理センター)のWebサイトで公表されているので、検索してみましょう。都道府県庁の建設業課や、地方整備局の事務室でも確認可能です。

参照:帝国データバンク「「建設業」倒産動向調査(2024年)
参照:CIIC(一般社団法人 建設業情報管理センター)「経営事項審査結果の公表

保証やアフターサービスが充実している

施工後の保証やアフターサービスが充実しているかも、重要なチェックポイントです。

工事費用が高くても、保証やアフターサービスが充実していればメンテナンス費用を抑えられて、結果的にコストパフォーマンスが良い場合もあるためです。

プレゼンテーションの際などに、保証やアフターサービスの内容・期間・条件を確認しましょう。

以下の記事では、大規模修繕の保証やアフターサービスについて詳しく解説しています。

▶大規模修繕の保証期間や瑕疵保険について詳しくはこちら

現場監督者の人柄が良く信頼できる

実際に工事を担当する現場監督者について、人柄が良く、信頼できる人物かを確認しましょう。プレゼンテーションの際に同席してもらうと、チェックしやすいです。

現場監督者の人柄は、管理組合や居住者との信頼関係構築のために重要な要素です。居住者の話をしっかり聞いて、適切に対応しようという姿勢の人物が望ましいでしょう。

大規模修繕工事業者の団体に加入している

大規模修繕工事業者の団体に加入しているかどうかも、確認しておきたいポイントです。各団体の審査基準をクリアしていることがわかり、信頼性の一つの指標になるからです。

具体的には、以下のような大規模修繕工事業者の団体に加入しているかをチェックしましょう。

  • ・一般社団法人マンション大規模修繕工事協会
  • ・一般社団法人マンション計画修繕施工協会
  • ・一般社団法人大規模修繕工事・優良職人支援機構
  • ・一般社団法人日本建築防水工業連合会
  • ・一般社団法人全国塗装工業会

参照:一般社団法人マンション大規模修繕工事協会
参照:一般社団法人マンション計画修繕施工協会「会員検索
参照:一般社団法人大規模修繕工事・優良職人支援機構
参照:一般社団法人日本建築防水工業連合会「協会員名簿
参照:一般社団法人全国塗装工業会

大規模修繕工事の施工実績が豊富にある

自分のマンションと同規模のマンションの大規模修繕工事の施工実績が豊富にあるかも、事前に確認しておきましょう。トラブルを避けるには、工事の進め方や居住者対応に慣れている業者が望ましいためです。

施工業者のホームページで、過去の施工実績をチェックするとよいでしょう。

大規模修繕工事でよくあるトラブルについては、以下のガイドブックで事例と対応策をまとめているので、ぜひご参照ください。事前に確認しておくことで、トラブルの防止にも役立ちます。ガイドブックは無料でダウンロード可能です。

▶大規模修繕のトラブル事例と対策はこちら

マンション大規模修繕の業者選定の注意点

大規模修繕 業者選定5

業者選定で優良業者を選ぶポイントは、以下の通りです。

  • ・費用の安さだけにとらわれない
  • ・マンションの建築業者にこだわらない
  • ・マンションの関係者と密接な業者は選ばない

詳しく見ていきましょう。

費用の安さだけにとらわれない

費用の安さだけにとらわれてしまうと、手抜き工事や追加費用が発生するリスクがあります。とくに費用相場を大きく下回る見積りには、安いだけの理由がある可能性が高いため、注意が必要です。

費用相場を把握しておくこと、見積もりに含まれる工事内容や範囲をしっかり確認することが重要です。

マンションの建築業者にこだわらない

マンションの建築業者にこだわらずに業者を探すことも、優良業者を選ぶために気をつけたいポイントです。マンションの建築業者が、大規模修繕工事にも精通しているとは限らないからです。

大規模修繕の専門業者に依頼したほうが、工事の品質やコストの面で満足いく結果になることも多くあります。広い視野で候補を探し、大規模修繕工事に長けているかに注目して、しっかりと比較検討しましょう。

マンションの関係者と密接な業者は選ばない

マンションの理事や特定の区分所有者と密接な関係にある業者は、利益相反の可能性があるため、避けたほうが無難です。

明確な理由がなく関係が深い業者を選定してしまうと、選考過程の透明性に欠け、区分所有者に不信感を抱かせる原因にもなります。

マンションの大規模修繕を請け負う業者の種類

大規模修繕を請け負う業者の種類は、以下の3つです。

  • ・大規模修繕工事専門の施工業者
  • ・総合建設業者(ゼネコン)
  • ・管理会社

それぞれの特徴を確認しておきましょう。

大規模修繕工事を専門に請け負っている施工業者

大規模修繕工事を専門に請け負っている施工業者は、豊富な実績から培ったノウハウを持っているため、安心して任せられます

専門的な技術や知識を有しており、さまざまな物件に対応可能です。

ただし、特定の工事に特化している場合、対応できない工事は外注となるため、業者同士の連携がスムーズにいかないことがあります。

総合建設業者(ゼネコン)

総合建設業者(ゼネコン)とは、建築や土木、都市開発など幅広い分野の工事を請け負う大手建設業者です。

耐震改修や省エネ工事などを同時進行で進めるような複合的な工事にも対応できるのが魅力です。

一方で、必ずしも大規模修繕工事を得意としているとは限らないため、大規模修繕の施工実績をしっかり確認しておいたほうがよいでしょう。大規模修繕は子会社が請け負っている場合もあります。

管理会社

管理会社は主にマンションの管理業務を行いますが、大規模修繕工事の受注やコーディネートをしている場合があります。管理会社内に大規模修繕の担当部署があるケース、系列業者・提携企業が請け負うケースなどさまざまです。

いずれも連携がスムーズで、工数や時間が削減できる点がメリットです。管理会社はマンションの状態を熟知しているため、適切な工事をしてくれる可能性が高いでしょう。

しかし、系列業者や提携企業で対応する場合にはマージンが発生するため、費用は割高になる傾向にあります。また、工事の品質にもばらつきが出ます。

マンション大規模修繕の業者選定は信頼できる業者を見極めよう

大規模修繕の業者選定では、見積もり金額や施工実績だけでなく、信頼や対応力などの要素が成功のカギとなります。

費用面だけにとらわれず、多角的な視点から総合的に判断し、信頼できる最適なパートナーを選びましょう。

業者選定のポイントを知りたい方は、大規模修繕ガイドブックをご活用ください。それぞれの業者に依頼する際のメリット・デメリットをわかりやすくまとめています。大規模修繕の進め方やトラブル事例など知っておきたい情報が満載なので、ぜひ以下よりダウンロードして、お悩みや疑問の解消にお役立てください。

また、カシワバラ・コーポレーションでは、大規模修繕のおおまかな費用目安がわかるシミュレーターを公開しております。フォームより簡単な質問にお答えいただければ、豊富な施工実績と最新のデータをもとにした簡易見積もりレポートをお送りしますので、ぜひご利用ください。

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この連載について

【連載】

ついにやって来た!大規模修繕

約12年に一度の周期で訪れるマンションの大規模修繕。住まう人々が安心して暮らすため、また、建物としての価値を維持するために、とても大切なイベントです。とはいえ、修繕工事などと言われてもピンとこない方がほとんどでしょう。この連載では、そのような方に向けて、修繕工事に向けた準備の進め方の一例を順を追ってレクチャー!みんなが納得できる工事となるように、しっかりと準備を整えましょう!

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