「外国籍の住民」とのトラブルを解決したい

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      マンションでよくある困った問題をテーマに、その解決方法を紹介していくこの連載。今回は「外国籍の住民」とのトラブルに目を向けたいと思います。

      日本に暮らす外国籍の方が増えてきている昨今。外国籍の住民が住むマンションでは、文化の違いや言語の壁から、お互いの認識のギャップによるトラブルが起きてしまうケースも考えられるでしょう。

      そこで今回は、トラブルの発生を防ぐための対応策を考えていきます。

      増える外国籍の住民と言葉の壁の問題

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      近年の日本は、海外から移住してくる外国籍の方々が増えています。移住となると当然居住する場所が必要となりますが、外国籍の方が分譲マンションを購入したり、分譲賃貸を借りて暮らしたりするケースも少なくありません。

      ここで気になるのが、外国籍の住民との文化や習慣の違いです。なかには、日本ではマナー違反となる生活習慣上の行動を悪気なくしてしまう人もいるかもしれません。また、あまり日本語が話せなくて、上手くコミュニケーションを取れない人もいるでしょう。

      そのような外国籍の住民がいるマンションでは、具体的にどのようなトラブルが起こり得るのでしょうか。代表的な事例をいくつか見ていきましょう。

      1.注意書きやルールが伝わらない

      まず、住んでいる方が単純に日本語を話せない場合が考えられます。

      日本語があまり得意ではない住民には、掲示板の貼り紙や回覧板で管理組合のお知らせを伝えるのが困難です。さらに、何かトラブルがあったときのコミュニケーションにも苦労するでしょう。

      文章で伝える場合は、ある程度日本語を話せる人であっても漢字は難しくて読めないというパターンは少なくありません。

      このような「伝わらない」というハードルは、双方が理解し合うことへの大きな壁となると想定されます。

      2.「ゴミ出し」や「騒音」に対する前提の違い

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      最もトラブルの原因となり得るのは、悪気のない「日常の生活習慣のギャップ」です。

      日本のようにゴミ出しのルールが曜日で決められていたり、分別方法を細かく指定されていたりするのは、海外では必ずしも一般的ではありません。ゴミの回収を夜間に行う国もあるので、母国での「ゴミは夜間に出すもの」という認識のまま、夜に生ゴミを出してカラスの被害に遭うようなケースも起こりえます。

      また、週末に友人を集めて賑やかなパーティーを開いたり、音楽を大音量で流したりなど、音のトラブルも想定されます。母国ではごく自然な行動であっても、日本のマンションの基準では、騒音トラブルとなるかもしれません。

      ほかにも、バルコニーで火を使って調理したり、日本では禁止されている共用部分で私物を保管したりするなど、母国では問題にならなくても日本の集合住宅ではルール違反となる行為が見られる場合もあります。

      3.管理組合に対する理解不足

      日本語が堪能で日本の生活習慣に慣れている人であっても、管理組合の活動についてはよくわかっていない可能性が考えられます。定期的に開催される理事会や総会についても、「何のためにするの?」という感覚で理解を得るのが難しい場合もあるでしょう。

      外国籍の方も区分所有者であれば、マンション管理組合の理事に就任する権利があるので、輪番制で順番が回ってくる場合もあります。

      しかし、言葉の壁や仕組みへの理解不足から、せっかく理事に就任しても理事会で発言できなかったり、出席を敬遠されてしまったりするケースが想定されます。 形だけの就任に終わらせないためのサポート体制も、今後の管理組合に求められるでしょう。

      外国籍の方にも伝わる工夫が重要

      外国籍の住民とのトラブルは、悪意があって起きるケースよりも、単純に「ルールを知らなかった」「内容を理解できていなかった」という認識不足が原因となって起こる場合が多いと考えられます。

      そのため、外国籍の住民が住むマンション管理組合では、海外出身の住民にも伝える工夫が大切です。

      掲示物のお知らせやごみ出しのルールなどは、日本語だけでなく英語や中国語などを併記すると理解されやすくなります。現在は生成AIや翻訳アプリが増えてきているので、そのようなツールを活用すれば、語学の知識がなくても伝えることが可能です。しかしながら、自動翻訳では意図が正確に伝わらない場合もあります。重要な案内については、語学力のある人に翻訳内容を確認してもらうのが望ましいでしょう。また、文章だけではなく、イラストや写真などを活用すれば、日本語が得意ではない方にも内容を伝えやすくなります。

      外国籍の住民との意思疎通が難しい場合には、必要に応じて管理会社や賃貸管理会社、不動産会社に協力を依頼できるケースもあります。ただし、対応内容は各社の契約や体制によって異なるため、トラブルが発生する度に通訳や翻訳を依頼するのではなく、多言語資料の整備や精度の高い翻訳ツールの活用を進めておくといった環境の整備をしておくのが望ましいでしょう。

      例えば、入居時にマンションのルールをまとめた案内を渡し、ごみ出しや共用部分の使い方、騒音への配慮などをあらかじめ説明しておくと、トラブルの予防につながります。外国籍の人が区分所有者となる場合は、管理組合のルールもしっかりと伝えておきましょう。

      外国籍の方が理事となる場合は、理事会で言葉の壁が大きく立ちはだかりますが、前述の資料の多言語化や音声翻訳アプリなどを活用して、できる範囲で情報を共有できるように工夫することが大切です。

      また、決めつけない態度も重要です。ルール違反が起きた際に、すぐに「マナーが悪い」と考えるのではなく、まずはルールを知らなかった可能性を考えてみてください。多くの場合、同じ建物で暮らす以上、不要なトラブルは避けたいと考えているでしょう。説明してみると、誤解が解けてその後の行動が改善される可能性は大いにあります。まずは歩み寄る姿勢で、日本のマナーを理解してもらうところから始めましょう。

      新たに外国籍の方をマンションの住民として迎え入れるのは、管理組合として準備や対応に不安を感じることかもしれません。しかし、これからますます国際化が進むと予想される現代社会で、多国籍の方々との共生は重要なテーマです。マンション管理は時代に順応していくことも重要となるので、外国籍の住民がいるマンションの管理組合は将来のためにも、日本人の住民も外国籍の住民も心地よく共生できる環境を作れる仕組みを考えていきましょう。

      イラスト:カワグチマサミ

      住民トラブルの予防には、管理ルールの整備と丁寧な周知が欠かせません。管理組合運営のお悩みはカシワバラ・コーポレーションへご相談ください。

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      この連載について

      【連載】

      これで解決!マンション暮らしのトラブル

      複数の世帯が生活を送る分譲マンションでは、共用スペースの使い方やペットの飼育、ゴミ捨て場における利用マナーなど、思いがけないトラブルに遭遇する可能性があります。そこで、本連載『これで解決! マンション暮らしのトラブル』では、マンションでよく起こる困った問題の解決方法をテーマごとにご紹介。トラブル発生の防止や、万が一起こってしまった際の対応マニュアルとしてもご活用ください!
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