マンションの網戸に破れやたわみが見つかり、補修を考えている方もいるでしょう。網戸を交換する前には管理規約の確認や費用負担を理解しておく必要があります。また、張り替えと枠ごとの交換では費用が異なり、選ぶ網によって使い勝手も変わります。
本記事では、交換前に知っておきたい注意点や網の選び方、費用の目安、業者選びのポイントを解説します。
マンションの網戸における専有部・共用部の区分
マンションの網戸は日常的に自宅の設備として使うため専有部分と思われがちですが、実際には共用部分のうち、居住者に専用使用権が認められる部分として扱われる場合が多いです。
マンションの管理規約のひな形であるマンション標準管理規約の第14条は、バルコニー・玄関扉・窓枠・窓ガラスなどを専用使用権の対象にあげています。網戸も開口部に付属する設備として、これらに準じるケースが多いです。
第21条では、通常の使用に伴う保存行為は専用使用権者の責任と負担で行うと定めています。そのため、破れやたわみにともなう網の張り替えなどの費用は、基本的に区分所有者が負担します。
ただし、各マンションの管理規約は標準管理規約と異なる場合もあるので、各自で確認し、必要なら管理組合へ相談しましょう。
網戸の交換・張り替えにかかる費用負担の考え方

特定の住戸が使う専用使用部分として扱われやすい網戸ですが、交換・張り替えなどの費用負担は劣化の原因や工事範囲で変わります。
網の破れやたわみなど日常的な使用による劣化は、専用使用権を持つ区分所有者の負担になる場合が多いです。
一方、建物全体の経年劣化に合わせ、管理組合が全戸一斉に交換する場合は、管理組合が費用を負担するケースもあります。
日常的な使用による劣化は区分所有者負担になりやすい
網戸の破れ、たわみが発生した場合、普段の開閉や時間の経過による不具合であれば、区分所有者が修繕費を負担するのが一般的です。
標準管理規約第21条は共用部分を管理組合が管理する原則を示す一方、「通常の使用に伴う管理」は専用使用権者が責任と費用を負うとしています。
例えば網戸に穴を空けてしまったなどの小規模な補修は「通常の使用に伴う管理」の範囲といえるでしょう。
ただし、実際の負担基準はマンションごとに違います。原因を判断しにくいときや枠ごとの交換が必要なときは、業者へ依頼する前に規約を確認し管理組合へ相談するのが安心です。
大規模修繕や計画修繕の一環での交換は管理組合負担になる場合がある
築年数が重なり多くの住戸で網の変色やたるみ、破れが同じ時期に目立ち始めた場合は、管理組合負担で全戸分をまとめて張り替えるケースもあります。
マンション全体に及ぶ経年劣化が原因で網戸に不具合が起こっている場合は、管理組合に交換の責任があると考えられます。
網戸の張り替えは外壁工事など足場を設置する工事と日程を合わせれば、個別発注より施工費を抑えやすくなるため、大規模修繕に含めたほうが総コストを抑えられるのです。
ただし、網戸が長期修繕計画に含まれているか、規約や総会決議で費用支出が認められているかによって最終的な対応は異なるため、管理組合への確認が必要です。
網戸の交換・張り替えにかかる費用相場
網戸の交換・張り替えにかかる費用は、補修が必要な範囲によって変わります。枠がまだ使える状態なら網だけの張り替えが最も安く済み、業者に頼んだ場合でも一般的な掃き出し窓サイズで1枚あたり3,000〜10,000円程度が目安。
一方で、枠自体に紫外線や風雨による劣化、物理的な衝撃で歪みや破損が生じている場合は網戸本体ごと交換が必要になるため、業者に頼んだ場合20,000円~80,000円程度と高くなります。
また、依頼方法が補修総額を左右する点にも注意が必要です。
店舗に網戸を持ち込んで補修してもらう形式は安く済む傾向があり、自宅に来て貰う形式では移動や現地調査の費用が加わるため、料金が高くなるのが一般的です。
複数枚分まとめて依頼すると1枚あたりの単価が下がる料金体系もあるため、管理組合などが窓口となり複数戸分を一括して見積もれば、個別に頼むより費用を抑えられる可能性があります。
網戸のメッシュ・素材・色・機能の選び方
網戸の網を選ぶ際は網目の細かさ、素材、色や機能性などが判断軸になります。
例えば、虫を防ぐには網目の細かさを表す単位のメッシュが大きい網が良いでしょう。
耐久性やメンテナンス頻度は素材によって変わるので、コストと性能のバランスを取りながら選択するのがおすすめです。
1階にお住まいで戸外からの視線が気になる場合や、換気時に花粉症対策をしたい場合なども、悩みを解決できる網を選びましょう。
虫を防ぐには網目の細かさ(メッシュ)で選ぶ
網戸の網目の細かさはメッシュという単位で表されます。メッシュは1インチ(約2.54cm)あたりの網目の数を示しており、数値が大きいほど目が細かくなります。
蚊を防ぐのが主な目的なら一般的な18〜20メッシュを目安に選択すれば問題ありません。一方、コバエやユスリカなどより小さい虫まで防ぎたい場合は、24〜30メッシュの高密度な網を検討しましょう。
注意が必要なのは、網目が細かいほど防虫効果は高まるものの、風通しは低下してしまう点です。
すべての窓を同じ仕様にせず、虫が入りやすいベランダ側は細かい網目、通風を優先したいエリアは標準的な網目にするなど、窓の位置や用途に応じて使い分ければ快適さと防虫性を両立しやすくなります。
耐久性やメンテナンス頻度は素材で選ぶ
網の素材にはポリプロピレン、グラスファイバー、ステンレス、ポリエステルなどさまざまな選択肢があります。素材によって価格と耐久性のバランスが異なります。
ポリプロピレンは最も安価であり、カッターで簡単に切れるため自身で網戸の補修をしたい方におすすめです。一方、直射日光による劣化が早く5〜10年程度での張り替えが目安とされている点には注意しましょう。
グラスファイバーやステンレスは価格は上がるものの、優れた耐候性・耐久性でポリプロピレンより長期間使えるため、張り替え頻度を抑えられます。
高層階で紫外線や風の影響を受けやすい住戸の場合は、各窓の向きを考慮して必要な耐久性を見極めると良いでしょう。南・西向きの窓などは日中と夕方に強い日差しが当たるため少し高価でも耐久性の高い網戸を選ぶのが1つの手です。
ペットを飼っている場合は、爪による引っかきに強いポリエステル製のペット対応ネットを導入すると、犬や猫がひっかいて穴を空けてしまうような困った事態を防げます。
視線を遮りたい場合は網の色で選ぶ
プライバシーが気になる、反対に室内から景色を楽しみたいという人の場合は、網戸の色にも気を配りましょう。
網戸の網は主に黒・白・グレーの3色から選択でき、色によって室内・外からの見え方が変わります。
黒色は光を吸収して反射を抑えるため、室内から外の景色がくっきり見えるのが特徴です。外からも屋内の様子を伺いやすくなるため、高層階や庭に面した窓など周囲の視線が気にならない場所に適しています。
反対に、白色は光を反射して網の反対側を見えにくくするため、人通りの多い道や道路沿いに面している窓を不安に思う方にはお勧めの色です。
グレーはバランスを取りたい方におすすめの選択です。外からの視線をある程度和らげながら室内から景色も眺められます。
見晴らしと目隠しのどちらも確保したい場合は、グレーを検討しましょう。
防虫や花粉対策など目的に応じた機能で選ぶ
害虫の発生や花粉症など独自の悩みがある住戸向けに付加機能付きの網戸もあります。
防虫機能のある網戸には、虫が嫌がる薬剤が使われ窓辺に虫を寄せ付けにくい状態が数年間続くとされています。
効果の目安が5〜7年の製品もありますが、設置環境で持続期間は変わるので注意が必要です。
花粉対策に特化した帯電加工を施した網は花粉の付着を防ぐとされており、自宅への花粉の侵入を徹底的に抑えたい方にオススメです。
機能性の高い網は標準的な網より価格が上がる傾向にあります。
すべての窓に採用すると予算を超えてしまう場合は虫が集まりやすい窓や毎日換気したい窓など、設置場所に合わせて必要な機能を絞るとよいでしょう。
網戸を自分で張り替える手順

網戸を自分で張り替える際は全体の流れを事前に把握し、作業をスムーズに進めましょう。
まず網戸のサイズを測り、必要な道具を準備します。
次に網戸をレールから取り外し、古い網を取り除きます。
新しい網を枠へ張って仕上がりを確認したら、網戸を元の位置へ取り付けます。
後に切れ端などを片付ければ作業は完了です。
各工程はシンプルなので、丁寧に作業をすれば綺麗に仕上がります。
採寸をして必要な道具を揃える
張り替える窓の上下の網戸レール間を測り、網の必要量を確認するのが最初のステップです。
網は枠より大きく余裕のある寸法で用意しましょう。
張り替え時に用意が必要なのは、網(張り替えネット)、網戸専用カッター、網押さえゴム、網押さえローラー、網戸クリップ、マイナスドライバーです。
網戸の枠に網を固定する網押さえのゴムは太さが複数あるため、古いゴムを店へ持参すると購入がスムーズです。
また、網戸専用カッターを用意するのは大げさに感じるかもしれませんが、専用品を使えば枠からはみ出した網を安全かつ綺麗に切り揃えられるため満足度の高い仕上がりになります。
道具が不足したまま始めると、買い足す間、網戸を外した窓を長時間放置する状態になります。防犯上の不安があるうえ虫も入りやすくなるので、着手前にすべての道具が揃っているかを点検してください。
網戸を取り外して、古い網を外す
網戸を張り替えるためにはレールから取り外して地面に置く必要があります。
まず網戸上部を観察し「外れ止め」という網の固定をするパーツを見つけましょう。見つけたら抜けてしまわない程度にネジを緩め、外れ止めが上下に動く状態にします。
外れ止めを動かすと網戸が取り外せるようになるので、網戸全体を持ち上げ、下側を手前に引いてレールから抜きましょう。
取り外した網戸はシートを敷いた平らな場所へ置きます。次に、枠の溝にある押さえゴムの端へマイナスドライバーを差し込み、少し浮かせてゆっくり引き抜いてください。
古い網を外した後、押さえゴムが入っていた溝にほこりや砂がたまっている場合はブラシで掃除しておくと、新しい押さえゴムが収まりやすくなります。
新しい網を張る
新しい網は網戸枠より少し大きめに切り、網目と枠が平行になるように広げて四辺をクリップで仮止めします。
ずれがないかを確かめたら網押さえゴムを溝に当て、専用ローラーで押し込むようにして固定しましょう。
網にたるみが生じないよう、サッシの外側にはみ出した網を引っ張ってピンと張らせつつゴムを押し込む作業を続けていきます。
網を伸ばす力が強すぎると押し込んだゴムが外れたり、網に穴があいてしまったりするので、適度な力加減を見極めましょう。
慣れないうちは各辺の中央付近から外側へ向けて少しずつ進めると、張り具合を調整しやすくなります。
四辺を固定した後は全体にたるみがないか確認し、余ったゴムと枠からはみ出した網をカッターで切り揃えれば完成です。
網戸を取り付けて、後片付けをする
張り替えた網戸は取り外したときと逆の手順で窓枠に戻します。
網戸がレールに収まったら解除していた外れ止めを元の位置に上げ、ねじを締めて固定しましょう。
外れ止めの形状や調整方法は製品によって異なるため、取扱説明書に従うと間違いがありません。
取り付け後は数回開閉し引っ掛かりなく動くか、がたつきや窓枠との隙間がないか、持ち上げてもレールから外れないかを確認します。
最後に取り付け作業時に出た網くずや押さえゴムの切れ端を集め処分してください。作業をしたベランダや共用廊下に残さないよう気をつけましょう。
張り替え後、網のたるみや外れが見られる場合は無理に調整せず、専門業者へ相談しましょう。
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網戸の張り替え・交換を業者に依頼する場合のチェックポイント

網戸の張り替え・交換はホームセンターやサッシ店、出張業者などに依頼も可能です。
例えばホームセンターなら網戸を持ち込んで張り替えのみを依頼する形になりますし、自宅まで出張して取り外し・設置、枠修理まで請け負ってくれる業者など、ひとくちに網戸の張り替えといってもサービスの内容はさまざまです。
複数社から見積もりを取り、施工費や出張費などの内訳を比べるのも大切です。
料金だけでなく口コミや実績も参照し、信頼できる業者か判断しましょう。
マンションでは管理規約に合わせた対応が必要な場合があるため、施工実績と手続きへの対応力も選定基準になります。
依頼先の種類ごとの特徴を把握する
網戸の交換・張り替えの依頼先は大きくホームセンターとリフォーム会社・専門業者の2つに分けられます。
ホームセンターは店舗への持ち込み対応が中心です。自身で網戸を取り外して運ぶ手間はかかりますが、出張費が不要なため比較的安価に依頼できます。
ただし、店舗によって対応サイズや受付方法が異なるので、事前に確認しましょう。
リフォーム会社や専門業者は出張対応が中心で、現地の状態を直接確認してもらえるのが特徴です。
網の破れだけでなく枠の歪みや戸車の不具合も診断し、修理や交換を提案してくれるなど手厚いサービスが魅力です。
張り替えだけで済むならホームセンター、劣化状況の見極めから相談したいなら専門業者というように依頼内容に応じて選び分けるとよいでしょう。
複数社から見積もりを取って比較する
網戸の張り替え費用は同じ枚数やサイズでも料金体系や網の種類などで差が生じます。
1社だけで即決せず、3社程度から同じ条件で見積もりを取り、金額と内容を比べましょう。
提示額が相場より高すぎる場合は不要な作業、安すぎる場合は追加料金の有無を確認してください。
見積書では、網の素材・メッシュ数・枚数に加え、枠や戸車の調整、古い網の処分など、作業範囲の記載も重要です。
出張費や施工後の保証内容まで確かめておけば、条件をそろえて比較でき、契約後のトラブルも防ぎやすくなります。
口コミや評判を確認する
網戸の張り替え業者を選ぶ際は口コミの数と内容、施工実績も確認しましょう。公式サイトの施工件数や事例写真も、経験の豊富さを見極める材料です。
投稿件数が多く評価が継続して安定している業者なら、担当者や現場による対応品質のばらつきが少ないと判断しやすくなります。
口コミでは網の張り具合や仕上がりの丁寧さに加え、見積もりや作業の説明がわかりやすかったか、質問への返答や当日の応対が丁寧だったかも確認します。接客面の具体的な感想まで比べると安心できる依頼先が見つかるはずです。
実績を確認する
業者のホームページで施工事例を調べ、実績があるか確かめます。
建物の種類や作業内容、完成写真を確認すると、自宅に近い条件への対応力や施工品質を判断できます。
マンションでは共用廊下をふさがないよう資材を置く気配りや、作業後の丁寧な清掃、騒音を抑えるなど住民への配慮といった作業マナーが必要になります。
マンションの対応実績がある業者なら管理規約など特有の事情にも慣れているため安心です。
戸建ての事例だけで決めず、マンションでの施工例を確認してから依頼するのが最良といえます。
マンションの網戸交換のポイントを知って、快適な住まいを保とう
マンションの網戸は共用部分のうち各戸で使う「専用使用部分」とされる場合が多いため、交換時には管理規約や使用細則を確認しましょう。
補修時の費用負担は状況によるものの、日常使用による破損は区分所有者、大規模修繕にともなう交換は管理組合が費用を負担するのが一般的な考え方です。
張り替えか枠ごとの交換かなどの補修内容に加えて、網戸のサイズや素材でも補修金額が変わるため、見積もりを作業内容まで比べましょう。
網はメッシュ、色、素材、付加機能の4つの観点から選ぶと良いでしょう。
窓の位置などを踏まえて条件を整理すると、自宅に合う網を判断しやすくなります。
自力での交換が難しい場合や、枠・戸車などの部品まで劣化している場合は、専門業者や管理組合へ相談してください。適切な対応で快適な住まいを保ちましょう。

