転勤・単身赴任になったら住宅ローン控除はどうなる?「居住要件」の落とし穴と対処法
控除とは別に、住宅ローン契約でも確認を

見落とされがちなのが、住宅ローンの契約そのものとの関係です。住宅ローンは本人や家族が住むための家を前提にした商品なので、家族ごと転居したあとに自宅を賃貸に出す場合は、事前に金融機関へ相談する必要があります。
たとえばフラット35では、転勤などやむを得ない事情で一時的に住めなくなり、将来戻る予定がある場合には、所定の手続きを経て賃貸にすることが認められるケースがあります。反対に、金融機関に知らせないまま賃貸にすると、契約違反として一括返済を求められるおそれも。民間の住宅ローンは金融機関ごとに扱いが違うので、辞令が出た段階で借入先に確かめておくと、家をどうするかの判断材料がそろいます。
二重生活の家計にも目を向けておく
単身赴任で控除が続いても、家計の負担は増えるケースがほとんどです。赴任先の家賃や光熱費、帰省の交通費が上乗せされ、会社の手当で全額はまかなえないことも。控除の継続だけで安心せず、住宅ローンの返済と二重生活の費用を合わせて、毎月の収支が回るかを一度確かめておくと、赴任が長引いたときにも慌てずに済みます。
カシワバラ・アシスト 担当者の声

小林 勝之(カシワバラ・アシスト 第1営業部 次長)
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)・貸金業務取扱主任者・個人情報取扱主任者
2011年カシワバラ・アシスト入社/返済計画見直しの対応実績多数
「返済計画の見直しのご相談を受けていると、転勤をきっかけに家計のバランスが崩れるケースに出会います。単身赴任なら控除は続きますが、二重生活の費用がじわじわ効いてくる。家族で転居するなら、控除の届出に加えて、自宅を空けておくのか貸すのか、金融機関との調整も必要になります。辞令が出たら、税金と住宅ローンと家計を一度に見直すタイミングだと考えてください。」
よくある質問(FAQ)
Q. 年の途中で家族全員が転居した場合、その年の住宅ローン控除はどうなりますか?
A. 控除の要件は、その年の12月31日まで引き続き住んでいること。年の途中で家族全員が転居し、年末の時点で誰も住んでいなければ、その年分から控除は受けられません。転居する日までに届出書を出しておけば、戻って住み直したあとに残りの控除期間について再適用を受けられる可能性があります。
まとめ:辞令が出たら、控除・ローン契約・家計をセットで確認
転勤しても、本人だけの単身赴任で家族が住み続けるなら、住宅ローン控除は続きます。家族ごと転居する場合は転居した年から控除が止まりますが、出発前に届出書を出しておけば、戻ってきたあとに再適用を受けられる余地が残ります。
あわせて、自宅を賃貸に出すなら金融機関への相談が先。控除の手続きとローン契約の確認、そして二重生活を含めた家計の見直しを、辞令が出た段階でまとめて進めておくのが確実です。
※ カシワバラ・アシストでは、住宅ローンの専門機関として、転勤にともなう返済計画の見直しや、自宅の扱いについてのご相談にも対応しております。「辞令が出たけれど、何から確認すればいいか分からない」という段階から、ご相談いただけます。
※ この記事の内容は、国税庁「No.1234 転勤と住宅借入金等特別控除等」(2026年時点の制度)などに基づく一般的な取り扱いです。入居の時期や家族構成、転勤先(国内・国外)によって扱いが変わるため、実際の申告は税務署や税理士にもあわせてご確認ください。
監修者プロフィール

小林 勝之 カシワバラ・アシスト 第1営業部 次長
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー(2級FP技能士)・貸金業務取扱主任者・個人情報取扱主任者
【経歴】
2011年カシワバラ・アシスト入社。複雑なローン商品の比較検討から、お客様の家計状況に応じた資金計画の作成、審査書類の作成支援、融資実行までの一貫したサポートを多数手がける。詳細なシミュレーションに基づいた提案には定評があり、ライフステージの変化に応じた返済計画の見直しまで幅広く対応する住宅ローンの専門家。
【読者へのメッセージ】
転勤は、住宅ローン控除の要件、ローン契約、二重生活の家計と、確認することが一度に重なる出来事です。FPの視点から、控除を受け続けるための手続きと、赴任中も無理なく返済を続けられる家計の組み立てを、ご家族と一緒に整理します。


